2024年4月10日、長崎市で枯草を燃やしていた男性に火が燃え移った。第一発見者は男性に水をかけるなどの対応にあたったが、服に火が燃え移った時、命を守るためにはどう対処すればいいのだろうか。
目の前で「人が燃えている」
目を疑うような出来事は、2024年4月10日午後、海岸にほど近い静かな住宅地で起きた。
![当時の状況を語る第一発見者の男性](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/700mw/img_8867d981193b680433b3f1ba920395f9728152.jpg)
第一発見者の男性:
ほとんど全身ですよ、燃え上がって
午後2時ごろに長崎市太田尾町の住宅地で、枯れ草を燃やしていた男性に火が燃え移った。
![現場に残された燃えた跡](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/e/700mw/img_2e991af1162e3666e77bce0fec73cce1714023.jpg)
近くを通りかかった「第一発見者の」男性は当時の様子を振り返り、「どうしたらいいか、分からなかった」と話す。
![火に巻き込まれた男性はドクターヘリで搬送](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/9/700mw/img_49a184ce117032c3166e8e3224af6e14264012.jpg)
男性はその後迷いながらも、水をかけるなどの対応にあたった。「枯草を燃やしていた」男性は上半身にヤケドをしていて、意識がある状態で長崎市内の病院に搬送された。
野焼きに行った夫が帰らず…
長崎県内では2年前にも同じような事案が起きている。2022年10月、雲仙市の田んぼで焼死体が発見された。
![野焼き(イメージ画像)](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/6/700mw/img_16fad63094245a3475803ca1f434d722386846.jpg)
警察によると、焼死体は近くに住む80代の男性で、男性は妻に「田んぼに野焼きに行く」と言って家を出たが、時間になっても自宅に帰ってこなかったため、心配した妻が田んぼに向かったところ、その日の夕方、田んぼで焼死体を発見。
警察は、男性が野焼きの最中に火に巻き込まれた可能性があるとみている。
着衣着火は「炊事中」に多発
ちょっとした不注意で服に火が燃え移るケースは高齢者層を中心に多く起きている。火が服に燃え移る「着衣着火」による火災は、総務省消防庁によると2022年は101人、過去5年間で501人と、年間100人前後が命を落としている。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/7/700mw/img_9746243735d708337aec27db91e45970262861.jpg)
またその理由として、「炊事中」が最も多く、次いで「喫煙中」「採暖中(たき火を除く)」「たき火」などの順になっている。(総務省消防庁:2014年~2018年までの火災報告データから抽出・集計)
![コンロ奥の物を取ろうとして服に着火するケースも](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/f/700mw/img_6fa2c88c58cf3b033e031cb8c4e391b1534665.jpg)
炊事中の「コンロ」による着衣着火では、「首にスカーフを巻いたままコンロに火をつけたため、垂れ下がったスカーフに着火し受傷」(50代女性)「調理中に換気のため窓を開けようと手を伸ばした際に、ニット製の着衣の腹部に着火し受傷」(70代女性)などの事例があり、特に女性が食事の準備中に起こるケースが多いようだ。(東京消防庁HPより)
住宅火災の件数との関連を見ると、「天ぷら油類」は火災件数の割に死者数が少ないが、「衣類」「布団類」は死者数の割合が多くなっていて、一度火が着いてしまうと消火が難しいことがわかる。
着衣着火防止には、「着火しにくい防炎品を使うこと」や「コンロの奥に物を置かないようにする」などがポイントだ。
![着衣着火した時、近くに水がない場合の対処法](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/7/700mw/img_27992ffce1beebe7728b664501c8f86b430484.jpg)
長崎市消防局は、着ている服に火が燃え移ったとき近くに水がない場合は、「火の勢いを大きくさせないよう立ち止まり」「燃えている部分を押し付けるように地面に倒れ、手で顔を覆いながら転がって消すようにしてほしい」と呼びかけている。
(テレビ長崎)