ツキノワグマによる農業被害を食い止めようと19日、専門家による講演会が秋田市で開かれ、参加者が市街地に出没するクマの捕獲や、電気柵を設置することの重要性などについて理解を深めました。
この講演会は、2025年に市街地などでツキノワグマの異常出没が相次いだことなどを受けて、農業被害を防ぐための効果的な取り組みを知ってもらおうと秋田県が開きました。
19日は、県内の市町村の農業担当者など約60人が出席し、クマの生態に詳しい岩手大学農学部の山内貴義准教授が「クマ対策と地域での合意形成」をテーマに講演しました。
この中で、山内准教授は、リンゴの栽培が盛んな岩手・盛岡市の猪去地区での取り組みを紹介しました。
猪去地区の集落では、クマによる食害などが相次いだことから、大学の学生や地域住民などがリンゴ畑を囲うように電気柵を設置したり、草刈りをして緩衝帯を整備したことで被害がほとんどなくなったということです。
岩手大学農学部・山内貴義准教授:
「緩衝帯でクマの個体数をいかに調整していくのか。防御帯(緩衝帯)でいかに被害に遭わないように電気柵の設置や草刈りをしてクマが出ないようにするのかが、街中にクマを出没させない方策の一つになっている。これを徹底していく必要がある」
講演を聞いた秋田市の職員は、「市街地に出てきたクマは捕獲しなければならない。市街地に出てこないようにするために、放任果樹や農作物を畑などに捨てないで適切に管理することを伝えることで人身被害が防げるようであれば、強く推していきたい」と話していました。
また山内准教授は、秋田や岩手を行き来しているクマがいる中で、県を超えた広域的なクマの個体数管理の重要性を訴えました。