学びの速度が速い人が敏感な情報
ここで紹介してきた4つのステップは、そのまま人との会話に応用できます。
特に「表現する」と「発展させる」のステップでは、先生や友人など一緒に学べるパートナーがいると、思いがけない発見や意外な展開に出会いやすくなります。
ケンブリッジ大学の少人数個別指導や入学試験の面接試験では、まさにこのサイクルを通して学生と教員が対話を重ね、予想外の質問や意見が飛び交います。
この「意外性」が学びを深め、広げる最大のヒントになります。独学でもサイクルは回せますが、もし途中でつまったり、同じ考えにとどまりがちだと感じたら、ぜひ学びのパートナーを探してみてください。他者の意見や質問は、自分では思いつかない「驚き」を運んできてくれます。
さて、この4つのステップのサイクルが回せるようになったら、次はそれぞれのステップを、少しずつ改善していくことを考えます。
学びの速度が速い人の特徴は、サイクルをすばやく回すだけでなく、意外な情報に敏感で、それをきっかけに思考を発展させている点にあります。
ケンブリッジの個別指導でも、学生たちは授業で得た知識をもとに問題演習を進め、そこで思わぬ誤答や疑問にぶつかります。その「予想外」をきっかけに新たな問いが生まれ、議論して、理解がどんどん深まっていきます。
個別指導の場では、特に以下のような「驚き」に注目します。
・見落としていた事実(意外な情報)
・思わぬ解釈(驚き)
・異なる視点(意外な展開)
このような予想外の気づきを「面倒だから」と流さず、むしろ「これはおもしろい!」と大事にすることが、学びを飛躍させます。
ちょっとした違和感や、「あれ、そうだったのか!」という小さな驚きを見逃さずに育てていくことが、学びを大きく飛躍させる最短ルートです。ぜひこの4ステップを繰り返しながら、意外性を楽しむ習慣をつけましょう。
飯田史也
ケンブリッジ大学工学部教授、ケンブリッジ大学コーパスクリスティカレッジフェロー、東京大学大学院工学系研究科教授、理学博士。研究の専門分野はロボット工学で、スイスと英国で16年教壇に立ち、200人以上の教え子を世界中に輩出してきた。
