バスの運転手不足が深刻な今、本州から「レンタル移籍」した運転手が北海道でハンドルを握っている。
問題解消へ効果は表れたのだろうか。
北海道の観光シーズンに「助っ人運転手」
1月13日朝の札幌市中央区、新千歳空港行きのバスを待つ人たちが長い列を作っていた。
国内外から大勢の観光客が押し寄せる冬の観光シーズン。

2024年には札幌市内でこんな光景が見られた。
「満員ですので次の便をご利用ください」(バス運転手)
「もう乗れないって」(地元の住民)
札幌駅と定山渓温泉を結ぶ便が観光客で大混雑。
運転手不足で増便ができず、地元の住民がバスに乗車できない「乗り残し」が発生していた。
2025年12月から観光客向けの便を増やすことなどで「乗り残し」はほぼなくなったということだ。

しかしバスの業界では運転手不足が改善されないままだ。
「最近では288人の運転手がいるが、コロナ前だと約370人いた」(道南バス 高本克彦さん)
胆振・日高方面を中心に運行する道南バスは、ここ5年ほどで運転手が100人近く減った。
北海道全体ではピーク時の約8000人に比べ、2700人ほど少なくなっている。
「(コロナ前は)9便、9便で(往復)18便。それが8便。半分以下に。(運転手が)乗れる範囲、輸送できる分の客しか対応できていない」(高本さん)

広島県から運転手2人が「レンタル移籍」
こうした中、道南バスで2025年12月、2人の運転手が辞令を受け取った。
「北海道に来るのが初めて。飛行機に乗れるかどうかがまず心配で、やっとこさ北海道に来た」(浜田浩明さん)
広島県のバス会社で貸し切りバスの運転手をしている浜田浩明さん。
同僚とともに冬の間だけ、北海道でハンドルを握る。
「人が足りないところで自分たちの地域は人が余ってる状況であれば、こういう仕組みを活用してバス運転をしてみたいと思う」(浜田さん)

北海道は1月、2月が貸切バスの「繁忙期」。
一方、ほかの地域では「閑散期」だ。

閑散期の地域の人材を繁忙期の北海道に「レンタル移籍」する、国による実証実験が行われているのだ。
「雪があまりなかったがきょうはこんな状態になって。(広島は)ほぼアスファルトの道なので別世界」(浜田さん)
雪国での運転はほとんど経験がなかったという浜田さん。
雪が比較的少なく走りやすい千歳市内の路線バスを任された。
「左に雪山があるので内輪差に気をつけて。スッと滑ることもあるので1回止まるような感じでゆっくり」(教官)
「横断歩道上で?」(浜田さん)
「ライン上も滑るので一気にアクセル踏むと流れるので雪山確認しつつ止まってゆっくり」(教官)

助っ人の参加で道南バスは需要がありながらも対応できていなかったことが可能になった。
「札幌~登別温泉を増便することができて、非常に効果が高いと思っている」(道南バス 高本克彦さん)
観光地・登別温泉と札幌市を結ぶ路線バスは、運転手不足のためこれまでは1日1往復の2便のみだった。
これを5便に増便し、連日満席に近い状況だという。
「バスは電車より快適。このバスを韓国で予約してきた」(韓国から来た観光客)
温泉街にとってもバスの増便は大歓迎だ。
「(観光協会としては)大変うれしい。札幌圏からの送客は大きな課題でもあるが、客に入ってもらっての商売なのでたくさん客が来ることができれば地元にもそれだけのメリットがある」(登別国際観光コンベンション協会 大野薫専務理事)

研修を終えた浜田さんは1月5日にデビュー。
「保育園に行ったりするので使っている。とても助かる」(バスの利用客)
「雪は序の口と聞いた。たくさん雪が降ったときに気を引き締めて安全運行に努めたい」(浜田さん)
「レンタル移籍」は3月中旬まで行われる。
