科捜研の不正なDNA鑑定問題で、服役中の人物が「自身の事件での不正の有無」について調査を求めていることがわかった。佐賀県警や警察庁は内部調査の結果、「捜査に影響はなかった」との見解を貫いている。
一貫して否認も証拠として提出・採用
この問題は、佐賀県警の科学捜査研究所で7年間にわたり不正なDNA鑑定が行われていたことが明らかになったものだ。

佐賀県弁護士会は1月6日の会見で、過去に覚せい剤の使用と所持で佐賀地裁で有罪判決を受け服役している人物から、当時担当していた弁護士を通じて「私の事件で不正が起きているのか調査してほしい」と相談を求められていることを明らかにした。

服役している人物は、覚せい剤について「自分のものでない」と一貫して否認していたものの、佐賀県警は袋に付着したDNAを証拠として佐賀地検に提出し採用されたという。

佐賀県警科捜研の不正なDNA鑑定問題について警察庁は、去年(2025年)10月、原因分析と再発防止策を確認するため「特別監察」を行った。
特別監察「捜査に影響はなかった」
その後11月27日に公表された中間報告では、県警が不適切と判断した130件のうち、犯罪捜査を目的とした101件について「本来、被疑者ではない人物を捜査した」などはなく、捜査に影響はなかったとしている。

佐賀県警の科学捜査研究所によるDNA鑑定の不正について、佐賀県弁護士会は、県警の科捜研が行った科学鑑定すべてに対する信頼を失墜させたとして第三者による徹底的な検証を訴えている。

一方、県警の福田本部長は「県公安委員会が第三者の立場である」などとして「必要ない」との見解を繰り返してきた。
「疑問を持たれる事件が出てくる」
今回、服役中の人物から自身の事件についての調査を求める声が明らかになったことについて県弁護士会の会長は次のように懸念を口にする。

佐賀県弁護士会 出口聡一郎会長:
捜査・公判に影響はないと言っていたが、こうして声をあげていただくとかなり疑問を持たれる事件が出てくる

県弁護士会では、有志の弁護士が支援する方針で、近く佐賀地検へ問い合わせをする予定だ。
