昨年末に富士山で遭難事故が連続したことを受け、富士宮市の須藤秀忠 市長は改めて閉山期間中における救助費用の有料化を主張すると共に「罰則制度を徹底していくよう県に要請したい」と述べた。
閉山期間の登山は後を絶たず
富士山の山梨側は例年9月11日から翌年6月30日まで、静岡側は9月11日から翌年7月9日まで(富士宮口5合目から6合目までは11月上旬まで通行可)閉山期間となっていて、両県とも登山の自粛を呼びかけている。

ただ、閉山期間中に登山する人も多く、2025年12月29日には友人2人と下山していた兵庫県の男性(44)が富士宮口新7合目付近から約200メートル下に滑落し死亡した。
また、同月31日にも突風に煽られた相模原市南区の男性(38)が御殿場口6合目付近から滑落し軽いケガをしている。
富士宮市長は救助有料化を主張
富士山をめぐっては2025年4月、山頂付近で体調不良になったほか、アイゼンを紛失したとして山梨県の防災ヘリで救助された中国人大学生が、わずか4日後に置き忘れた携帯電話を取りに行くため再び富士山を訪れ、今度は高山病で倒れたため静岡県警によって救助されるという事態が起きたことから、富士宮市の須藤秀忠 市長は「言うことを聞かず勝手に登っている」と指摘した上で「遭難すると人命を大事にするという見地から救助にいかなければならない。その費用は莫大なもので、個人負担にするべきだし、自己責任。隊員も命懸け。登山家からすると『山があるから登るんだ』『冒険するのが楽しみだ』ということになるが救助に行く方は大変。富士山を甘く見ている」と怒りをあらわにし、その後、閉山期間中の登山を制限するための仕組みづくりや救助費用の有料化について県知事に要望した。
このため、1月9日に開かれた定例会見でも、改めて救助有料化の必要性を訴えると共に「こうした事故を未然に防ぐためにも罰則制度を徹底していくよう県に要請したい」と発言。

さらに「静岡県のホームページには登山道は道路法により通行が禁止されていると書いてあるし、違反者には6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑が科される(可能性がある)と書いてある。これを無視して登ろうとしていることは誠に遺憾」と述べた。
須藤市長によれば、去年の要望以降、県から具体的な返答はないものの、偶然にも9日午後は県知事に対する新年の挨拶が予定されていることから、現在の検討状況を聞くという。
登山道は法律で開山期以外の通行が禁止も…
須藤市長が言う通り、富士山の山頂へと通じる4つの登山道は道路法第46条の規定に基づき開山期以外は通行禁止となっていて、違反した場合は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処される可能性がある。
ただ、これは登山道に限った話であり、それ以外の場所に及ぶものではない。
このため、富士山の冬季登山についてはこれまでも幾度となく禁止等を求める声が挙がっているものの、実効性のある策は見いだせていないのが現状だ。
