被告「不貞関係終了後は友人」と主張

一方、被告の隆は、妻の病気により肉体関係を結ばなくなった2013年をもって不貞関係は終了し、その後は単なる友人としての付き合いに過ぎないと主張した。

夫婦が離婚していない事実は、修復意思や関係改善の可能性が残ることを示すもので、婚姻が解消された場合と同等以上の損害が生じているとはいえないと反論。

また、Tシャツの差し入れについては、特殊詐欺被害に遭った妻が多額の金銭を騙し取られ、詐欺グループに自宅を把握される事態を相談してきたため、励ます意図で送ったものであり、関係の再構築や継続を狙ったものではないと主張した。

さらに、原告の主張は主観的感情に偏り、高額慰謝料の根拠にはならないとした。

“交際期間”が争点に

裁判所はまず、不倫関係がいつ終わったのかについて検討した。

判決は、2013年の妻の手術後も家族に隠して2人きりで旅行や食事を繰り返していたことや、妻が2024年12月に娘へ詳細を話した際に、肉体関係がなくなっても「交際が続いていた」と説明したことを重視。

「2013年に肉体関係が途絶えた」ことをもって直ちに不貞関係の終結とはいえず、「不倫関係」という関係性自体は変わっていないと判断した。

被告である隆の「以後は友人関係」という反論は、同じ部屋に宿泊したことなどから、説得力に欠けると評価。よって、妻が娘に不貞関係の事実を説明した2024年12月までの20年以上にわたり、不倫関係が継続していたと認定した。

東京地裁
東京地裁

また、損害額の評価については、不貞行為で侵害される利益は「夫婦関係の平和」であるが、夫婦が離婚・別居に至らず家庭内が断絶状態にあるともいえない事は、慰謝料を算定する上で重視せざるを得ないとした。

その前提で、途中からは肉体関係が無くなったとはいえ20年以上の長期にわたって不倫・不貞関係が続いた事や、被告・隆が不倫について真摯に反省しているのか疑問が残る点を指摘。

全事情を斟酌した結果、東京地裁は2025年12月、慰謝料は200万円が相当で、弁護士費用相当額20万円を加え、計220万円の支払いを命じた。

プライムオンライン編集部
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