水上を切り裂くように進むボート。風を切ってスピードを感じながら、自分の限界と向き合い続ける一人の女子高校生がいる。 秋田・由利本荘市の本荘高校端艇部3年、小松煌(こまつ・あき)選手だ。高校から競技を始めた彼女は、わずか3年で全国トップクラスへと成長し、19歳以下の日本代表として世界の舞台にも立った。その歩みは、悔しさと挑戦の積み重ねだ。
全国優勝をつかんだ高3の秋
秋田・にかほ市出身の小松選手は、ボートをオールでこぎ速さを競う「ローイング競技」のU-19(19歳以下)日本代表選手だ。
2025年10月に滋賀県で行われた国民スポーツ大会では、1000メートルのコースを2本のオールでこぐ「少年女子シングルスカル」に出場し、初優勝を果たした。
前年の佐賀大会では、先輩と組んで出場したダブルスカルで準優勝に終わり、「すごく悔しかった」と振り返る。だからこそ、滋賀大会では「優勝できて、レースを楽しめたことが本当に大きかった」と笑顔を見せる。
悔しさを糧につかんだ初タイトルだった。
バスケ少女が魅了された“風を切る感覚”
中学まではバスケットボールに打ち込んでいた小松選手。しかし高校で出会ったローイングの“自分の力で進む爽快感”に心を奪われたという。
身長174cmの体格を生かした力強いこぎと、後半でも落ちないスタミナ。その武器を磨き続け、2025年4月にはU-19日本代表を決める選考レースで優勝した。
「代表に選ばれて本当にうれしかった。ここからもっと頑張ろうと思えた」と語る表情には、競技への強い覚悟がにじむ。
初の世界挑戦で痛感した“世界の壁”
2025年8月、小松選手は初めて日の丸を背負い世界大会に挑んだ。
しかし結果は17位。国内では勝る体格も、海外ではさらに大きな選手が並ぶ。
「一桁順位を目標にしていたので悔しかった」と率直に語る一方で、「国内では味わえない競り合いができて、またチャレンジしたいと思えた」と前を向く。
敗北の中にも確かな手応えをつかんだ。
舞台は大学へ 次の目標はU-23日本代表
水上に出られない冬は、徹底的な体力強化の時間だ。
ウエイトトレーニングや持久力トレーニングに励み、「世界で戦うために必要な力をつけたい」と自らを追い込む。
高校卒業後は秋田を離れ、県外の大学で競技を続ける。「U-23(23歳以下)に挑戦し続けられる選手になりたい。大学では日本一を目指したい」と力強く語る。
目指すのは、U-23日本代表、そしてその先の世界だ。
悔しさを力に変え、成長を続ける小松煌選手。2026年、彼女の挑戦はさらに大きく広がっていく。
(秋田テレビ)
