2026年度から私立高校の“授業料無償化”の拡充で、所得制限が撤廃。全ての家庭が対象となる。年間の補助額も45万7000円に増額され、ほとんどの私立高校の授業料をカバーできる水準となる。このため経済的理由で『公立』以外は無理だと諦めざるを得なかった生徒にとって、『私立』への進学も事実上、可能となり、これから本番を迎える私立の入試状況にも例年とは異なる動きが出ている。

“無償化”で私立中学の受験にも影響

2026年1月6日。新年度から男女共学となる福岡市城南区にある『中村学園中学校・中村学園高校』。この日は、中学校の入学試験に臨む受験生の姿があった。

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中学校と高校が2026年4月から男女共学に生まれ変わる中村学園。中学校は、定員60人に対し、想定を上回る約380人が受験。これまではいなかった男子の比率は、4割にも達したという。

大手進学塾『英進館』の中村昌慈取締役は、この“中村人気”は、ほかの学校にも大きな影響を与えそうだと指摘する。「昨年の2.3倍近く志願者が増えている。他の中学、高校の先生方は注目していると思う」。

生き残り賭け『共学化』広がる

中村学園中学校の人気は、共学化が大きな要因だが、共学化の流れは、高校では更に進んでる。2025年4月には、男子校だった『東福岡』が共学に移行し、福岡の私立高校の勢力図を大きく塗り替えた。

2027年には、福岡市立の福岡女子高校も共学となる。

子供の数が年々減り続ける少子化の時代、どの学校も生き残りをかけ、知恵を絞っているが、共学化もその戦略の1つだと『英進館』の中村さんは話す。「他の学校と比べて、どう特色を出せるかというところの部分で、それぞれ学校、塾を含めてやっていかないといけない」。

カギは“無償でない”学校教育費

文科省によると、私立高校に通う生徒1人あたりにかかる年間の『学校教育費』の総額は、76万6000円あまり。このうち、授業料は23万円ほどで、無償化されれば自己負担はなくなるが、それ以外の費用(教材費や通学費、PTA会費や修学旅行のための積立金など)は、当然、無償化の対象ではないため注意が必要だ。

低所得世帯を対象に「高校生等奨学給付金」制度がある。給付なので返済の必要はない。世帯状況と給付額は、各都道府県ごとに詳細が異なる場合もあるので、居住する都道府県に問い合わせが必要だ。

全ての子供が安心して高校教育を受けられる環境を整えることを目的とした4月からの授業料無償化制度の拡充。学校側も生徒の経済的負担を軽減する独自の支援制度の検討などが、生徒に選ばれる学校へのカギとなりそうだ。

(テレビ西日本)

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