幕末の英雄・西郷隆盛の出身地・鹿児島県。この地から「下克上」を目指す高校バレーボール部がある。
鹿児島県立川内商工バレーボール部だ。春高バレー5年連続6回目の出場を果たした彼らは、「地方公立からの下克上」という旗印を掲げ、全国の強豪に立ち向かっていく。
194cmのスーパールーキー
川内商工バレーボール部は全国屈指の「高速コンビバレー」で知られる。そのスピード感あふれるプレースタイルは、長年培われた伝統であり、チームのアイデンティティーとなっている。
そして今春、チームに大型ルーキーが加わった。身長194cmの左利き、田中洸選手だ。
日本代表クラスの高さを持つスーパールーキーの加入により、チームの戦力は一層厚みを増した。
「川内商工の高速コンビバレーで名を上げたいなと思います」と田中選手は意気込む。全国の強豪校に挑む意欲を見せる彼の存在は、チームにとって新たな武器となりそうだ。
地域との絆 — 全国遠征前の恒例行事「募金活動」
川内商工バレーボール部には、春高全国へ挑む際に必ず行うことがある。
それは地元のショッピングモールでの募金活動だ。
「おはようございます。募金活動を行っております。よろしくお願いします」
彼らは練習の合間を縫って、全国大会への遠征費などの支援を地域の方々から募っている。この活動は単なる資金集めにとどまらない。地域の人々との絆を深め、チームの存在を知ってもらう貴重な機会となっている。
薩摩川内市の人口は約9万人。川内商工にゆかりのある住民は多い。
地域の方々にとって、川内商工バレーボール部は誇りであり、応援したい存在なのだ。
「よく全国大会に行ったと聞くので、頑張ってほしいなっていつも応援はしていました」と話す地元の方もいる。
「県外の人が薩摩川内というところがあるんだと目を向けてくれたら、もっと人が増えたりしてくれたらいいなと思っています」
また、別の住民は「やっぱり、なじみがあるというか、応援したくなります。気持ち的にね。皆さんがあそこに並んでらっしゃるのを見たら、明るくなりました」と語る。
地元の商店で働く男性も「情熱です。若い人が頑張るということは、元気をどうしてもらえますよ」と笑顔で語った。薩摩川内市民の方々にとって、川内商工バレーボール部の選手たちは、確かに地域の誇りなのだ。
恩返しの思い — 地方からの挑戦
地域の支援を受けて全国に挑む川内商工バレーボール部。彼らの心には、応援してくれる人々への感謝と恩返しの思いが常にある。
「協力してくださいという気持ちを伝えられて、その気持ちを受け取ってくれて募金してくださっているので、勝って恩返しをしたいなと思います」
選手たちは、自分たちが今あるのは地域の方々の支えがあってこそだと理解している。
「そういう人たちの支えがあってこそ、自分たちはこう成り立っていると思っているので、この地方の方々の思いをも一緒に戦っていこうと思います」
川内商工バレーボール部は、地方の誇りと感謝の思いを胸に、鹿児島からの下克上を誓う。
伝統の高速コンビバレーと194cmのスーパールーキー。そして何より、地域との強い絆を武器に川内商工は全国の強豪に挑んでいく。
1月5日に開幕した春の高校バレーで川内商工は大会初日の1回戦、神奈川代表・慶応義塾と対戦。
1年生のスーパールーキー田中洸選手がチームトップの18得点を奪う活躍でストレート(2-0)勝利。7日に行われる2回戦で滋賀代表・近江との一戦に挑む。

