「令和のミラクル東亜」再び ― 名門校の新たな挑戦

「ミラクル東亜」の伝説は今も息づいているのかもしれない。

高校バレーの歴史に名を刻む東亜学園。

前回大会7年ぶりのセンターコート進出を決めた東亜学園
前回大会7年ぶりのセンターコート進出を決めた東亜学園
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昨年、破竹の勢いでベスト4に進出し、「令和のミラクル東亜旋風」を巻き起こした彼らが、今年も春の高校バレーに3年連続41回目の出場を果たした。

しかし今年の東亜学園には、単なる名門校としての期待を超えた、ある特別なドラマがある。

それは、監督と選手という立場を超えた親子の物語だ。

佐藤家の三人三様の思い ― 父と兄弟の最初で最後の春

チームを率いる佐藤俊博監督と、その息子である陸人選手、快人選手の兄弟。

東亜学園の””親子鷹”
東亜学園の””親子鷹”

幼い頃から父がいる東亜学園の体育館に足を運んできた二人が、今、選手として同じユニフォームを着て戦っている。

「今年は自分の力で後輩を引っ張って、センターコートの景色をお父さんと弟と、今度は3人で見られるように頑張りたいです」と語るのは兄の陸人さん。

弟の快人さんも「陸人さんとお父さんとできるのはこれが最後なので、春高では一つでも上に行って、この3人とまだ一緒に戦いたいです」と熱い思いを語る。

監督であり父でもある俊博さんは「長男の陸人が東亜学園に来てくれて、それにくっついて弟(快人)も来てくれて、一緒に取り組むのが春高ということを考えると本当に春高には感謝ですね」と、親子三人で挑む最初で最後の春高への思いを語った。

幼い頃からの夢舞台 ― 東亜学園の体育館で育った兄弟

映像に映る当時6歳の快人さんと8歳の陸人さん。

幼少期の陸人さんと快人さんが走る体育館
幼少期の陸人さんと快人さんが走る体育館

二人は幼い頃から父・俊博さんがいる東亜学園の体育館を走り回り、バレーボールに親しんできた。あの頃の小さな足跡が、今、春高という大舞台へとつながっている。

陸人さんは、今年こそ自らの力で後輩を引っ張り、再び栄光の景色を見たいという強い意志を見せる。

親子だけの試合前の祈願 ― 50円玉に託した思い

試合前、佐藤家だけで行う特別な祈願の様子も映し出された。

神社で祈願する佐藤家の親子三人
神社で祈願する佐藤家の親子三人

「25点を2セット取れるように」と、50年玉に勝利への願いを込めた親子三人の姿が印象的だ。

春高バレーでは、セットを取るには25点が必要。

その勝利に必要な点数と同じ価値の50円玉に、家族の思いを込める。

この独自の儀式が、彼らの絆をさらに強くしている。

陸人さんの決意 ― 「一番近くで見守って欲しいのはやっぱり…」

「自分と快人がプレーしているのを一番近くの一番いいところで見守っていてほしい」と語る陸人選手。

父である佐藤俊博監督から指導をうける陸人さん
父である佐藤俊博監督から指導をうける陸人さん

「それができるのが1回しかないので、自分の今までを全部出し切れるように頑張りたいです」と、父と弟と共に戦える最初で最後の春高への思いを語った。

「令和のミラクル東亜」の新章 ― 親子三人の挑戦

高校バレーの名門・東亜学園の歴史に、新たな一章が加わろうとしている。

それは単なる勝利の記録ではなく、親子三人で紡ぐ家族の物語だ。

昨年の「令和のミラクル東亜」を超える新たな伝説を作るのか。

父と息子たちの特別な春が始まった。

最初で最後の親子三人の春高バレー。彼らの挑戦はまだ始まったばかりだ。