トランプ政権は3日、ベネズエラで軍事作戦を実施し、マドゥロ大統領を拘束しました。

マドゥロ大統領は麻薬の密輸に関与した罪などで起訴され、5日、ニューヨークの連邦地方裁判所に出廷する予定です。

このベネズエラの大統領拘束、トランプ氏の狙いについて中本智代子副解説委員長と見ていきます。

宮司愛海キャスター:
トランプ大統領は、アメリカ国内に海から流入する麻薬のほとんどはベネズエラから密輸されていると主張しています。そして拘束したマドゥロ大統領については、極悪な麻薬密輸カルテルを率いて何千人ものアメリカ人を殺害した。そして今後についてはベネズエラの安全で適切な政権交代が完了するまで、我々はベネズエラに駐留し、国を運営すると発言をしています。

青井実キャスター:
ここまで見ると大統領の拘束というのはベネズエラの麻薬の撲滅、ということなんですが石油という話もありました。真の狙いは何でしょう?

中本智代子解説副委員長:
ベネズエラからアメリカに麻薬が流入しているのは事実です。ただ、それは大統領を拘束して法的に起訴するための言い訳だと考えています。
実際のトランプ大統領の奥底にある狙いは“マドゥロ政権の転覆”だと思っています。そのマドゥロ政権の転覆は何のためかというと、2つあると思っていて、1つがベネズエラの石油だと思うんですね。本人も言ってますがビジネスだと言っていて、アメリカの企業に今後ベネズエラの石油施設、インフラを管理させることで石油ビジネスをしてアメリカが介入するというのが1つの狙いだと思います。ただ、今、あまり質が良くないといわれているんですが、ここにアメリカ企業が入ることで質をよくして海外に売れるようにするということが1つだと思います。

もう1つは中南米の裏庭化。つまり、アメリカのパワーですね。覇権をアメリカ大陸に及ばせるということだと思います。まさにこれがトランプ大統領の「Make America GreatAgain」だと思っています。

青井実キャスター:
年始早々だったわけですがこれまでもこの関係はくすぶっていたわけですが、なぜ今だったんでしょう?

中本智代子解説副委員長:
もともと独裁政権だとアメリカ側はみていて転覆させようと思っていて、第1次政権でもそう言っていたわけですが、トランプ大統領は間もなく就任1年になって中間選挙もありますし、どんどんレガシーを、結果を出そうとしています。そこで、ウクライナ戦争、本当は片づけられると思っていたと本人も言っているんですが、そうはいかなかったと。じゃあ、次は何かというとベネズエラに目を付けたのかなと思っています。クリスマスごろに本当は攻撃すると言っていたんですけれども、季節的にもいいしホリデーシーズンで一番気が緩んでいる時というのがあったと思います。

青井実キャスター:
岩田さんは軍事作戦の狙い、どう見ますか?

SPキャスター・岩田明子さん:
4月に中国とディールを控える中で、世界最大の石油の埋蔵量があるベネズエラが中国に影響力が及んでいるというけん制という狙いもあったのかなと思いましたね。特に中国の特使がベネズエラに滞在中でもありましたし、相当緻密に戦略、計算をしたそういう作戦だったと感じました。

宮司愛海キャスター:
大統領の拘束によって国内ではどんな反応が起こっていますか?

中本智代子解説副委員長:
もともとマドゥロ大統領は前のチャベス大統領ほどカリスマがあった人ではないので、国の統一ができていなかったのは事実であります。歴史的にヨーロッパに侵略され、アメリカに経済的にも支配されていって、またここで、マドゥロ大統領になるのは嫌だけどアメリカに乗っ取られるのもいやだという喜び半分、悩み半分、苦しみ半分なのかと思っています。

青井実キャスター:
一方でアメリカの国内はどうなっていますか?

中本智代子解説副委員長:
トランプ大統領が会見で、この作戦はアメリカファーストのためだと言っていたんですが、それはもちろんアメリカにとって扱いやすい国が周りに増えることもありますし、トランプ支持者にとっては本当に偉大なアメリカが戻ってきた、強いアメリカファーストの大統領だとトランプ支持者はさらに熱狂するんじゃないかと思います。

宮司愛海キャスター:
世界各国の反応を見ていきましょう。まずロシア外務省ですが「国際法による独立国家の主権の侵害だ」と批判をしています。そして中国の外務省も「強く非難する」という声明を出しているわけですね。では日本はどうなのか。高市首相は先ほど行われた会見で「ベネズエラにおける民主主義の回復および、情勢の安定化に向けた外交努力を進めてまいります」と発言をしたんですが、軍事作戦を実行したアメリカに関しては触れなかったということです。

青井実キャスター:
こういう意味では高市さんは昨日、自身のSNSで投稿した以上の内容の言及というのはなかったわけですが、今後日本はどう対応していくのでしょうか。

SPキャスター・岩田明子さん:
やはり対中国ということで、日米の緻密な連携を国際社会にアピールしつつも、価値観外交もけん引していくということで民主主義の回復という言葉を使っていたと。今後はG7、それから途上国とかグローバルサウスの国々をこちら側に巻き込みながら、情勢を見守っていくことになると思います。

青井実キャスター:
今後の情勢が気になってきますが中本さん、トランプ大統領はマドゥロ大統領はあす未明にニューヨークの連邦地裁に初めて出廷する予定になっていますが、トランプ大統領は今後どう動きますか。

中本智代子解説副委員長:
今後、裁判をしてアメリカの法律の下でマドゥロ大統領は裁きを受けることになりますが、ベネズエラは最初早く大統領夫妻を帰すように身の安全を明らかにするようにと言っていたんですが、ちょっとやわらかい姿勢になっていますので、探り合いをしながらベネズエラにとってはアメリカとうまくやっていくという方向に行くんだと思います。

青井実キャスター:
ただ、いずれにしても力による現状変更は国際社会にどうやって影響を与えていくのか、新年早々揺らいでいる感じはありますよね。

中本智代子解説副委員長:
明らかに国際法は違反ですので今後、どのように正当性を…。ただ、すごいよく練られた作戦で法律的にも綿密に練られた作戦なのでうまくすり抜けていくのかなというのもあります。

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