飲食店などでの会計時、日本の500円玉と大きさ・重さがほぼ同じ韓国の500ウォン硬貨で支払われる被害が相次いでいる。キャッシュレス決済を導入していても忙しい時間帯に客が現金で支払うと、店では確認が追いつかず大きな損害を受けている。

500ウォン硬貨で支払われる被害

東京・新宿区新大久保のうどん店「伊予路」は、19日も多くのお客さんで賑わっていた。冷えた体に染み渡る関西風の「鍋焼きうどん」などが人気の店だ。

しかし、店主の伊藤孝さん(69)はあるトラブルに頭を悩ませている。

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伊予路 店主・伊藤孝さん:
日本の500円玉と同じ重さ・大きさで、それが置いてかれちゃった。

店主が困り果てていたのは、会計の際に日本の「500円玉」と韓国の「500ウォン硬貨」を間違えて支払われたことだ。

500ウォンの価値は日本円で約50円のため、大きな損害となる。

伊予路 店主・伊藤孝さん:
大きさも変わらないし、重さも変わらないです。

こうした被害は各地で起きている。

麺屋しん蔵(福島・二本松市)はXに「やられた。お会計で500円じゃなくて、500ウォンだしていったやつがいました」と投稿。
ほかのSNSでも「近所の小さな八百屋さんもやられてた」「立ち食いそば屋でもやられた」などという投稿が相次いでいる。

「伊予路」では、約10年前から15回近く起きているという。
今なお現金での支払いが多いという「伊予路」では、カウンターに代金を置いて帰る客もいるそうだ。

店主の伊藤さんは「厨房から客の動きは見えない。(客が「ごちそうさまでした」と代金を置いて行っても)確認までは時間かかってしまう」と話す。

キャッシュレス導入も“問題”解決には至らず

“問題”はレジでの会計でも起こっていた。

伊予路 店主・伊藤孝さん:
トレーに(硬貨を)置いてパパッと出られてしまう。

忙しい昼時、硬貨を置いて素早く帰られてしまうと、“紛れ込み”に気付いても69歳の店主は追いつけないという。

伊予路 店主・伊藤孝さん:
目が悪いから(500ウォンを)置いていかれたら分からない。(置いて行ったのは)韓国の人だと思う。(わざとではなく)間違いだと思ってあげたいんですけどね…。

対策としてキャッシュレス決済を導入したものの、現金支払いでは“硬貨の紛れ込み”が度々起きてしまう。

店の客からもこんな声が聞かれた。

うどん店の客:
違う店でそういうこと(紛れ込み)があった。(Q.お釣りが500円のはずが?)ウォンだった。

30年前には事件も

番組が街の人に2つの硬貨を見比べてもらうと「一緒…めっちゃ似てる!」「ちゃんと見れば分かるが、大きさも一緒だからパッと出されたら分からない」という声が聞かれた。

約30年前の1999年には、500ウォン硬貨を悪用した事件も起きている。

穴を削って500円玉と同じ重さに変造し、自動販売機に識別させて釣り銭を盗む手口だ。

その後、新硬貨の発行や自動販売機の改良など対策が進んだが、現金払いの店舗では度々紛れ込みが発生。

5月には、宮城・大崎市のガソリンスタンドでも取り違えが起きていた。

ガソリンスタンド店長:
パッと見ただけでは500円と勘違いしてしまう大きさ・色合い。釣り銭として500ウォンを渡してしまう店が出てもおかしくない。

さらに、福島・二本松市のラーメン店「麺屋しん蔵」でも同様の被害があった。

麺屋しん蔵・高宮店主:
従業員が会計した後に「見たことないお金があった」と言って「あ!これ500ウォンだよ」と。

4日に起きたという500円玉トラブル、物価高の中での出来事に店主はこう話している。

麺屋しん蔵・高宮店主:
原価も上がってるので、かなりショックです。サラリーマンの方だったんです。多分日本人だと思うんですけど。常習犯じゃないのかなと。普通に(500ウォンを)出していけるのは、慣れてるのかなと思いました。

キャッシュレス全盛となった今でも現金のやりとりをする際には、しっかりと確認することが重要だ。
(「イット!」11月19日放送より)

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