カターレ富山、奇跡のJ2残留で県民に感動を届ける

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2025年、富山県のスポーツ界は数々のドラマを生み出した。中でも注目を集めたのはカターレ富山の「劇的なJ2残留」だろう。11年ぶりにJ2に復帰したカターレは、シーズン序盤こそ連勝を重ねる好調ぶりを見せたものの、中盤以降は苦戦を強いられた。

16試合勝ちなしというクラブワースト記録を更新する苦難の時期を経て、監督交代も経験。J3降格の危機に直面した最終戦では、試合終了間際に高卒ルーキーの亀田歩夢選手が決勝ゴールを挙げ、得失点差わずか1点という僅差でのJ2残留を決めた。

「最高」と喜びを爆発させた亀田選手。安達亮監督も「良かった」と胸をなでおろし、田川知樹選手は「こんな形で残留できると思っていなかった、皆に感謝」と語った。11年ぶりのJ2の舞台を守り抜いた瞬間は、多くのサポーターに感動を与えた。

B1復帰の富山グラウジーズ、B.リーグでの苦戦続く

バスケットボール界では、5月に富山グラウジーズがプレーオフを勝ち上がり、B1への復帰を決めた。昇格を決めた際、ブースターからは「嬉しい」「最高」「グラウジーズ、ありがとう」という喜びの声が上がった。

しかし、10月からの新シーズンでは現在26チーム中22位と苦戦が続いている。B1の厳しい戦いの中で、チームは結果を出すべく奮闘を続けている。

未来富山、通信制高校初の甲子園出場

夏の高校野球では、未来富山が創部わずか8年目で初の甲子園出場を果たした。通信制高校の甲子園出場は県内初という快挙だった。

地元の魚津市では市内の高校の吹奏楽部が急遽応援団を結成。初戦で敗退したものの、甲子園のスタンドを大いに沸かせた。通信制高校の挑戦は多くの人々に勇気を与えるものとなった。

プロ野球ドラフト、県出身選手の活躍

プロ野球ドラフトでは富山商業出身の岩城颯空投手が西武ライオンズから2位指名を受けた。また、富山GRNサンダーバーズからも2人の選手が育成ドラフトで指名されるなど、富山県出身の若い選手たちの活躍が目立った。

朝乃山関、幕内復帰へ

大相撲の世界では、元大関の朝乃山関が来年初場所で幕内に返り咲くことが決まった。東前頭16枚目での復帰となる朝乃山関は「自分の相撲人生の勝負だと思う。ずっと幕内を目指してやってきた。来場所、新年一発目から勝負の年だと思う」と意気込みを語った。

さらに「今年1年は再入幕が目標だったが、来年1年は幕内に戻ってどこまで通用するか分からないが、目標は高く持ちたいので三役を目指して戻りたい」と三役復帰への強い決意を示した。

ミラノコルティナ五輪に向けて県勢選手に期待

来年2月に開幕するミラノコルティナ冬季オリンピックでは、富山県勢の活躍が期待されている。特にクロスカントリースキーでは2人の選手が注目を集めている。

富山市出身の廣瀬崚選手(25歳)は2大会連続のオリンピック出場が有力視されている。廣瀬選手は「4年前は持って帰れなかったメダルを今大会は何としても持って帰りたいと思っている」と金メダルへの決意を語った。

また、地元テレビ局員でもある南砺市出身の山崎大翔選手(22歳)は、初の五輪出場を目指している。山崎選手は「オリンピックは初めての舞台になると思うので出場できれば気負わずに自分の持ち味を発揮できたらと思う」と抱負を述べている。

2人ともオリンピックの派遣推薦基準をクリアしており、代表内定は来月にも発表される見通しだ。

パラリンピックでも県勢選手が代表内定

3月に開幕するパラリンピックでも富山県勢の活躍が期待されている。クロスカントリースキーの川除大輝選手(24歳)と岩本美歌選手(22歳)がすでに代表に内定している。

岩本選手は前回北京大会での雪辱を期し、川除選手は2大会連続の金メダル獲得が期待されている。川除選手は「(ミラノ・コルティナ)大会でも金メダルが自分の目標だし、4年前は(メダルが)1個だけだったが、更に複数個獲得したい」と意欲を見せている。

富山のスポーツ界、2026年への期待

2025年、富山県のスポーツ界は数々の感動と挑戦の物語を紡いできた。カターレ富山の劇的なJ2残留、未来富山の甲子園出場、そしてプロ野球やB.リーグ、大相撲での県出身選手の活躍。

そして迎える2026年、ミラノコルティナ冬季五輪・パラリンピックでの県勢選手の活躍に大きな期待が寄せられている。メダル獲得を目指す選手たちの挑戦は、富山県民に新たな感動をもたらすことだろう。

(富山テレビ放送)

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