1年を振り返る「しずおか総決算2025」。2回目は首相交代など今年も激動の1年となった日本の政治。国政が揺れる一方、地方自治の在り方が問われた年でもあった。
与党が参議院でも過半数割れに
2025年。
今年も激動の1年となった日本の政治。
夏の参院選では国民民主党と参政党が躍進。

5回目の当選を果たした国民民主党の榛葉賀津也 幹事長は「静岡に体はいなかったが、心と気持ちは常に地元とつながっていた」と選挙戦を振り返った。
他方、厳しい結果が突き付けられたのは与党だ。
2024年の衆院選に続く過半数割れ。

参院選後、石破茂 首相(当時)は「比較第一党としての責任、そして国家国民のみなさま方に対する責任を果たしていかねばならない」と一度は続投を表明したものの党内で反発が強まり、最終的には退陣へと追い込まれた。
初の女性総理が誕生
こうした中、次なる首相の座に就いたのが高市早苗 首相。

憲政史上初となる女性首相で、就任会見では「国家国民のため結果を出していく。強い日本を作るため絶対にあきらめない」と力強く宣言した。
伊東市政初の女性リーダーは…
一方、市政史上初の女性リーダーによって半年にわたって混乱が生じたのが静岡県伊東市だ。
「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している」
6月初旬。
市議全員に届いた1通の告発文。
就任間もない田久保眞紀 市長(当時)に学歴詐称問題が浮上した。

田久保氏は除籍であることが明らかになった後も「一度卒業という扱いになって、なぜ除籍になっているのかはきちんと事実関係に基づいて確認していかないと(いけない)」「卒業できていない人間に卒業証書を渡さないのは当然だと思うので、そこはきちんと(大学側が)確認するべき」などと不合理な弁明に終始。
説明責任果たさず退場
その後、百条委員会が市長の発言や認識は虚偽であると認定すると、市議会は二度にわたって不信任を議決し、田久保氏は市政から強制退場となった。
11月19日には自身の失職に伴う市長選への立候補を表明するが、複数の刑事告発を受け、多くの市民が知りたいはずの学歴詐称問題については「慎重に対応するというのは捜査機関に対する礼節でもありますし、ここで軽はずみな発言は控えさせて頂きたい」と事実上のゼロ回答に終始。
選挙戦に入ってからも、「きょうはもう全部話します」と威勢の良い演説はするものの学歴詐称問題については説明を避け続けた。
迎えた12月14日。
市民がリーダーに選んだのは元市議の杉本憲也 氏。
一方、田久保前市長は前回選から1万票以上も票を減らし惨敗。
選挙結果を受けての取材にも応じず、最後まで説明責任を果たすことはなかった。
今回の経験をもとに問題提起
こうした一連の“田久保騒動”を受け、伊東市議会は地方自治法に規定された解散権の見直しを国に要望。
中島弘道 議長は「伊東市だけでなく、最近は他の地方公共団体でも問題になってきていると思うので、伊東市として私どもの経験をもとに問題提起させてもらった」と口にした。
2025年は自らのセクハラ問題に端を発し、沖縄県南城市の当時の市長が議会を解散したものの最終的には二度目の不信任により失職するなど地方自治の在り方が問われる1年となった。
(テレビ静岡)
