去年3月、富山市で飲酒運転の車にはねられ死亡した井野真寿美さんの遺族が富山地方検察庁を訪れ、改めて、より罪の重い危険運転致死傷罪での起訴を求める署名と意見書を提出しました。

署名と意見書を提出したのは、事故で亡くなった井野さんの遺族ら3人です。

去年3月21日の未明、富山市総曲輪で横断歩道を渡っていた井野真寿美さんは当時42歳の男が運転する車にはねられ死亡しました。

男は酒を飲んでいて、酒気帯び運転と過失運転致死容疑で書類送検されましたが、遺族は男が車のフロントガラスに半分ほど雪が積もったまま運転し、一方通行を逆走した上、赤信号にもかかわらず、左折して事故を引き起こしたとして、より罪の重い危険運転致死傷罪の適用を求めています。

遺族が署名や意見書を提出するのは4回目で、22日は脳神経外科の医師による飲酒が及ぼす影響についての意見書と5万2000人余りとなる署名を提出しました。

井野さんの死から間もなく1年9か月ですが、男はまだ起訴されていません。

*遺族・中田康介さん
「当時のことはいまだにフラッシュバックするし、なぜ私たちの母親があのような悲惨な死に方をしなければならなかったのか。ここまで来たからには母親の無念を晴らすためにも、引き続き力添えをもらいながら最後まで走り抜きたい」
飲酒運転による死亡事故で遺族が厳罰を求める動きが全国で広がっていますが、法務省は「危険運転致死傷罪」を適用する要件を整理・検討しています。
(富山テレビ放送)
