12月16日、高市首相と会談した日本維新の会の吉村洋文代表。
連立の“絶対条件”としてきた、衆院議員の定数削減法案の年内成立を断念。2026年の通常国会で成立を目指す考えで合意し、笑顔で握手を交わしましたが…。

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その直後、自身のYouTubeチャンネルの緊急生配信では藤田文武共同代表と共に怒りの声を上げました。さらにメディアに対しても、辛辣な苦言を呈した吉村代表。
果たして、定数削減は成立するのか? できなければ連立解消か?

18日、吉村代表が『サン!シャイン』のスタジオに生出演。ズバリ、聞きたいことをぶつけました。

定数削減見送り…なぜ連立を維持したまま?

谷原章介キャスター:
連立の条件として『サン!シャイン』ご出演時に(10月17日放送)「今年中に定数削減をやり切る」とおっしゃってましたが成立しなかった。なぜ連立を維持したままなんでしょうか。

日本維新の会 吉村洋文代表:
高市早苗首相との信頼関係、これは今も続いている
ということです。
確かに結果として成立はしませんでした。そして継続審議になって通常国会に先送りになりました。
ただ法案としては、実際に提出するところまで高市さんと一緒にやって。これも結構大変だったんですが、その後、国会で審議されなかったので成立しようがない状況なんですね。それで国会が閉じられてしまったので…。
でも「国会って議論の場なんだから、議論して結論を出すのが国会じゃないですか」と。それが審議すらされなかったことに対して、僕は「それは違うんじゃないんですか」と思ってます。ですが、高市さんは約束は守ってくれてますし、このままスライドして通常国会になったので通常国会で“時間切れ”ってありえないですから、しっかりと結論を出したいと思います。

谷原章介キャスター:
審議に通らなかった大きな一つの原因というのは「自動削減」という一文があったじゃないですか。あの一文への野党の拒否感って強かったと思うんですが、継続審議の中、通常国会でもその一文は残したままに?

吉村洋文代表:
もちろんです。
実はこの法案を作り出すまでにいろんな議論があって。自民党の中では「定数削減」という数字は明確にせずにふわっとした法案でいこうじゃないかという。「それじゃ誰も反対もしないじゃないですか」と、僕は「それはダメだ」という話をしたんです。やっぱり“時期”と“数”というのは明確にしないと。それが定数削減ですから。ふにゃふにゃって言ってごまかすのは嫌だったので、そこは結構議論になりました。
ただここもですね、自民党の中で正直言ってたくさん反対はありました。
それでも高市首相が「やり切ろう」と、自民党の中をまとめて出したのがこの法案ですので。「自動削減」のところをなくしたらもう「お話し合いしましょう」というだけの法案になりますから。

怒っていたのになぜ笑顔?

遙洋子氏:
私は釈然としなかったのが(議員定数削減を)審議されなかった日の夕方の映像ではむっちゃ怒ってらっしゃって、「茶番劇だ」って言って。翌朝「僕は東京に行く」って言って東京に乗り込まれましたよね。
私てっきり自民党に対して怒りに行ったのかと思ったら、翌日の映像を見たら高市首相と一緒に笑ってらっしゃるんですよね。何があってこんな笑顔になったんですか?

吉村洋文代表:
僕が怒っているのは野党に対してです。そして審議してくれない国会に対してです。なので、高市さんには怒ってないんですね。

自民党で「議員定数削減45の案を出す」っていうのは本当に大変なことなんですよ。僕はここが実は一番危ないところだなと思ってたんですが、高市首相が本当にリーダーシップを発揮してくれてまとめてくれた。だから「感謝しています」という言葉もこの会談で言いました。
でも実現してないから、「次の通常国会でそのままスライドいきますから次は絶対成立させましょう」という話をしたので。

遙洋子氏:
それで笑顔になった?

吉村洋文代表:
そうですね。あとは議員定数削減以外の話も、経済の話とかいろんな子育て支援の話だとか様々な話もしてますので、高市さんに対して僕は別に怒ってないんですよ。

遙洋子氏:
松山さんに伺いたいんですが、維新と自民党の信頼関係はどう見えますか?太い信頼関係に見えますか?

フジテレビ 松山俊行解説委員長:
まず「自民・維新が連立を組んだことで高市政権が誕生した」という、そういう意味では維新は大変重要なパートナーだという意見が自民党の中では多いんですが、ただこの定数削減についてはやっぱり相当自民党の中の温度が低い感じがします。
建前上は、維新の“お付き合い”で何とかやらなきゃいけない。それも受けて高市さんは「一生懸命やるんだ」というアピールをするわけですけども、自民党の中では何となくうやむやにして延ばして、結局のところは「できない」というのも、それも1つの選択肢じゃないかという声がやっぱり残っているんですよね。
それが通常国会で本当に成立までいけるのかというところは、まだ不安要素として残っているという感じですね。

谷原章介キャスター:
視聴者(60代)から「高市首相と吉村代表はこれからも頑張ってほしい、日本が変わると信じています」という声も届いています。やっぱり期待している方も多いと思うんですよ。

吉村洋文代表:          
そうですね、本当に高市首相とある意味タッグを組んで日本を変えていきたいという思いで僕は連立に入りました。自民党と連立に入った政党っていうのは公明党以外消滅しています。なので、党の代表としたらある意味、党が消滅するリスクっていうのもあるのは分かった上で入っています。
でも誰かがリスクを取らないと道は開けないと思うし、今、高市さんがある意味孤立していたような状態の中で、タッグを組んでいろんな賛否両論ある政策を前に進めていきたいというので連立組んでますので。反対勢力も多いですし、自民党の中にも高市さんに対してよく思ってない人もいると思います。それでも「日本の政治を前に進める」というのが大事なので、我々維新の会とすれば、日本の改革を進めるために連立に入ったということですから、高市さんとタッグでやっていこうと思ってます。

やりたかったら国政にいくしかないのでは?

杉村太蔵氏:
本当に申し訳ない、やっぱり国会で多数を形成しようと思ったら、いくらYouTubeで「腹立つ腹立つ」10回言っても、いくらコメンテーターを批判しても、やっぱり国会は合意形成の場ですから、党の代表として「これが必要なんだ」ということを1人1人説得する作業をやらないで「腹立つ腹立つ」言ってもしょうがないんじゃないかと。
前から言ってるように、大阪府知事が与党代表を兼任するっていうのはこれは現実的ではない。なぜこれ(議員定数削減)が成立しなかったのかと言ったら、吉村代表の責任もあるというのが僕の考えなんですよ。やはりやりたかったら国政にいくしかないんですよというのが僕の考えです。

吉村洋文代表:
まず成立しなかったという結果に対しては僕自身の力不足もあるでしょう。それは思います。ただ誰とどういう交渉をするのかというのは、先程申し上げた通り党なので、これは実際にやっていっているわけですよ。他の党代表も含めて議員定数削減について意見してますね。
例えば僕は「比例で50削減」と最初出しましたが、公明党の斉藤代表は「比例代表だけ削減するなんてこれはダメだ」と。「これは少数政党潰しじゃないか」と。斉藤さんがおっしゃったのは、「小選挙区と比例、これは3対2の割合だからこれでやるんだったらやるべきだ」というのを公言されています。
だから僕は「50削減すべきだ」という考え方だけど、それ(斉藤鉄夫代表の意見)を受け入れて「小選挙区25・比例20削減」という案に修正をしました。これは立憲の幹事長(安住淳氏)も同じようなことをおっしゃっていました。なのでこれをやった。
その中で、“クローズで協議する”というのも国会において大事です。でもこれ、“オープンの場”でそれぞれの政党の代表が主張していることに対して、私もそれを受け止めて修正をして出しているということ。
“闇の協議”は国会大事ですよ。でも“闇の協議”だけじゃなくてオープンでやっていくということも僕は重要だと思います。

杉村太蔵氏:
いや吉村さん、僕は「闇で協議しろ」って言ってるわけじゃない。直接、公開でも何でもいいから、やはりきちっと面と向かってちゃんと議論をしてこなかったんじゃないか、できる状況ではないんじゃないかっていうところが…。
例えば「政府効率化局」、これ今やろうとされてるじゃないですか。でも補正予算を見るとすごい大規模な予算になっている。本予算も120兆(円)近いっていう数字が今出てきている。
例えばこういった、これから本当にやってもらいたいなということも、代表がやっぱり国会にいないとなかなか実現できないんじゃないかという懸念をお伝えさせていただきます、すいません。

視聴者の方からもこんな声が寄せられています。

「国政に戻らないんですか?そうすれば自民党との議論が今よりスムーズにいきそうな気が…」(40代)

吉村洋文代表:
今、僕は選挙を受けて4年間の任期があり、あと1年3カ月任期があります。やっぱり多くの府民の皆さんにも付託を受けてますから、その職務を全うするっていうのは当然のことだと思っていますので、それは必ずやりきるというのが基本的な考え方です。その後どうするかっていうのは決めてるわけではありませんが、そういう声が多くあるというのは確かに受けます。

議員定数削減制度改革前の「解散」は容認できる?

フジテレビ 松山俊行解説委員長:
高市さんは非常に高い世論の支持がある中で、どこかで解散総選挙をするかもしれないと今言われている。当面はそういう暇はないということをきのう(17日)の会見でもおっしゃってましたけど、ただ、税制改正と本予算の編成が終わったらその後はまだ分からないというそういうニュアンスも残していた。議員定数削減と選挙制度改革も一緒にやれという党も出てきている中で、それをやっている最中に衆院解散ということを高市さんが決断した場合、じゃあそれは容認できるんですかというのをぜひ聞きたい。

吉村洋文代表:
容認できます。

フジテレビ 松山俊行解説委員長:
議員定数削減やる前でもそれを理由に解散すると。

吉村洋文代表:
まず解散するかどうかっていうのは首相の専権ですから、僕がどうこう言うのはおこがましいと思うんですよ。ただ、首相が解散の判断をするのであれば、僕はいつでも受けます。

谷原章介キャスター:
その場合、府知事の職を辞して国の選挙に出ていくおつもりはありますか?

吉村洋文代表:
そこきますね…。
今、任期でもありますからどういう状況になるか分かりませんが、いずれにしても解散するかどうかというのは首相の判断だし、僕がどうこう言うことはない。「解散するのはやめてくれ」とは言いません。ただ、僕が高市首相といろんなことを話している中で、解散しようという空気は全く感じないですね。つまり、高市さんは解散どうこうというよりは政策を実現したいと。日本を前に進めていきたい。それは僕も同じ思いです。なので、解散しようという空気すら全く感じないですね。
今回の議員定数削減も確かに成立はしませんでした。でも本当に45(議席)削減するっていう法案を自民党として維新と出して、そしてこれ終わってないんですね。そのまま継続してスライドしてるんです。今回は時間切れということで審議すらされませんでしたが、でもこのまま通常国会にいってますから、今度は予算が終わった後で考えても3カ月以上あるわけですよ。時間切れにはなり得ないので必ず結論が出ると思うし高市さんもこれはやると言っています。僕もやると言っているので、何とかこれを実現させて。

フジテレビ 松山俊行解説委員長:
議員定数削減法案の中では、自動的に議員定数削減する期間というのは1年間の協議で結論が出なかった場合になってますけども、ということは文字通り読むと1年間は解散総選挙しないでじっくり議論すべきというふうにも見えるんですが、それでも途中で解散したらそれに従うと。

吉村洋文代表:
高市首相が判断すればそれに従います。
自公政権の時は解散の時期うんぬんの相談をとよくありましたけれども、僕はやめてくれというふうには思わないですね。高市さんがむやみに解散するという感じには全く感じられない。むしろ本当に政策を何とか実現して日本を前に進めたていきたいという思いの方が強いし僕もそれには同感です。

遙洋子氏:
未来予測としてどっちがあり得ますか?1つは遠隔操作の限界を感じられて自ら国政に入る。もう1つはやっぱり限界で「腹立つ腹立つ」で離脱する。

吉村洋文代表:
高市首相とは本当に信頼関係が強いので、今まで話しても約束を破るような人ではないなというふうに思っています。僕の解釈ですけど、むしろ自民党の中で戦っている感じがします。今回の議員定数削減でも。なので、僕は高市さんとタッグを組んで進まなかったことを前に進めていきたいという思いが非常に強いですね。

「賛否両論あっても大事なことはやっていきたい」

他にも視聴者の方からたくさんの質問や意見が寄せられました。

「大阪府民です。知事としての仕事と二足のわらじのように見えます。大阪府の方をおざなりになってませんか?」(50代)

吉村洋文代表:
「知事として二足のわらじのように見えます」ということなんですけど、ちょっと前まで万博やってましたから三足のわらじと言われましたが、なんとか万博も成功したと思いますので、今二足になってますが、府政も当然やってます。あまり報道はされないですけれども。きのう(17日)も大阪府議会で補正予算を成立させて、いろんな物価高対策というのも議決を成立させていますので、それはできる限りのことはやっていこうというふうに思います。
ただやっぱり日本の政治もそうですけれども、なかなか停滞して前に進まないとか多くあるので、賛否両論あっても大事なことというのはやっていきたいと思いますから、できる限り倒れてもいいので走り抜けたいというふうに思っています。

(「サン!シャイン」12月18日放送より)