私たちの身近にある「魔の交差点」。
中でも「右折の事故」が多発する危険な交差点がある。
右折が危険な交差点には、ある共通点があった。
1.札幌市東区北17条東20丁目の交差点―6件の事故
「散歩から帰ってきて階段上がってきたらドスーンと音がしたんですよね。見たら車がぶつかっていて」(近所の方)
2025年6月、乗用車とワゴン車が出合い頭に衝突し、2台とも横転する事故が起きた。

事故があったのは、札幌市東区北17条東20丁目の交差点だ。
実は、2024年、北海道内で3番目に多い6件の事故が起きている。

交通量が多く複雑な形の交差点
現場を訪れると―。
「こちら北海道内でも事故が多い交差点です。交通量が多いのはもちろんですが、交差点の形が複雑です」(吉村直人記者)

東西に走る片側4車線の通称「環状通」は交通量が多く、南側は片側1車線の細い道路、一方、北側は広い中央分離帯がある道路と複雑な形をした交差点だ。

環状通からの右折による事故が多い
この交差点で最も多いのが、環状通からの右折による事故だ。
環状通から北側の道路に右折する際に、対向車と衝突したり、横断歩道で歩行者などを見落としてしまう危険が高いといわれている。

歩行者や自転車を見落としやすい
危険な交差点の情報を提供している日本損害保険協会の川田晃久さんによると。
「大きな交差点ですけど右折信号がない交差点なのでドライバーは右折をする時には、はやったり対向車線に集中が行き過ぎたりする」(日本損害保険協会 川田晃久さん)
右折の矢印信号がないため、ドライバーは対向車線に意識が向きがちだ。
ドライバーの目線で見てみると、交通量の多い対向車に集中したあと、右折した先には、中央分離帯が茂みになっているため、歩行者や自転車を見落としやすくなってしまうのだ。

2.札幌市中央区南4条西6丁目の交差点―形状が複雑
同じように、右折が危険な交差点は中央区にも。
「すすきの近くにあるこちらの交差点も注意が必要です。特徴は市電が通っていることです」(吉村記者)

札幌市中央区南4条西6丁目の交差点。
すすきの中心地から300メートルほど西にある。
付近には札幌市電の駅があり、こちらも交差点の形状が複雑だ。
「軌道敷が途中にあったりするという変則的な交差点になっている」(川田さん)

過去には、右折車を避けようとした車が路外に飛び出して電柱に衝突したり、2台の車が出合い頭に衝突し、1台が横転する事故もあった。

市電など注意すべきポイントが多い
この交差点には市電専用の黄色の矢印信号がありますが、一般の車両用の右折の矢印信号がない。
右折のタイミングが難しいのに加え、市電の線路があるため、通常よりも大回りで曲がる必要がある。

さらに南側からすすきの方向に右折する先には、路上駐車があったり、市電の駅で降りた歩行者が、横断歩道の途中から渡ってきたりすることもあり、ドライバーが気を付けるべき要素が非常に多いのが特徴だ。

これから冬を迎えて、路面が凍結してくると、より慎重な運転が必要になりそうだ。
