12月12日午前11時44分ごろ、青森県東方沖を震源とするマグニチュード6.9の地震があった。
道内では函館市を中心に太平洋沿岸で最大震度4を観測。
この地震により、北海道太平洋沿岸中部に一時、津波注意報が発表され、えりも町庶野では午後0時35分に20センチの津波を観測した。
「後発地震注意情報」発令の最中での地震
今回と前回の地震の関連や今後の余震について、北海道大学・地震火山研究観測センターの高橋浩晃教授に話を伺った。
「大きな地震が起こると、必ず余震が起こります。きょう12日に起きた地震はその余震の中で少し規模の大きな地震だったと考えています。特別なことではありません」(高橋教授)
今回のような余震は必ず起こるため、より大きな地震が発生する可能性も含めて引き続き注意していくことが必要だという。

12日に発生した地震は、8日の地震と震源地が非常に近い位置にあった。
これらの地震が起こるメカニズムについては、「いずれも太平洋プレートという海の岩盤が、陸側のプレートの下に沈み込むことによって起こる地震。メカニズムも同じ」と高橋教授は説明する。

今後大きな地震が起きる可能性は―
また今回は、「後発地震注意情報」が発表されている最中での地震だった。
この「後発地震注意情報」は、想定震源域内で大きな地震が起きた際、その後1週間程度は巨大地震が起こる可能性が高まっていることを呼びかけるもの。
実際、過去にはM7クラスの地震の後に、巨大地震が起きたことがある。
今後、大規模な地震が起こる可能性はあるのか。
「確かにきょう比較的大きな地震が起きましたが、残念ながら、しばらくは、より大きな地震が起きる可能性が高まったままという状況が続いていると考えます」
12日の余震でエネルギーが放出された可能性については。
「残念ながら月曜日の地震も、きょうの地震も、もともと青森県東方沖や北海道沖合に蓄えられている巨大なエネルギーに比べると、ほんのごくわずかしか使っていません」(高橋教授)

万が一に備え準備を
より大規模な地震が起こる可能性は高まったままで、引き続き注意が必要だと警告する高橋教授。
「いわゆる『在庫一掃セール』と言うのですが、それをやるには今回の地震はあまりにも小さすぎる。今回の地震が約200回起こらないと溜まったエネルギーは消費されません」(高橋教授)
高橋教授は改めて、東日本大震災を例に注意を呼びかけた。
「東日本大震災のように、最初の地震よりも後の地震の方が大きいパターンが時々ある。100回に1回の確率でも、大きな地震が起きれば、大きな被害が出る。後発地震注意情報が出ている現在、万が一のために準備しておくことが大事です」(高橋教授)
