国の史跡にも指定されている鹿児島県の奄美大島・瀬戸内町の旧陸軍施設跡で落書きの被害があり、施設を管理する瀬戸内町教育委員会は警察に被害届を提出しました。
落書きがあったのは瀬戸内町にある「西古見砲台第2観測所跡」です。
この場所は旧陸軍が造った軍事施設の一つで、敵艦を見張り、近くの砲台に連絡する役割を担っていました。
壁には観測所から見える島々やその距離を記した跡が残されるなど、戦争の歴史を知る貴重な場所となっていて、2年前に国の史跡にも指定されています。
落書きは施設内の高さ約180センチの位置で見つかり、黒色の塗料で「71129」という数字が書かれていました。
12月7日に瀬戸内町教育委員会の担当者が発見し、文化庁に毀損届を出すとともに警察に被害届を提出したということです。
瀬戸内町教育委員会・鼎丈太郎主査
「せっかく今まで構造物の中にいたずら書きがない状態で後世に伝えてきたものが、1人の身勝手な行動で棄損したことが大変残念な思い」
この場所では2024年11月にも「60629」と書かれた落書きが見つかっているほか、施設を囲う柵の3か所にも同様の落書きが見つかっているということです。