宮城県と仙台市が1月13日の宿泊分から導入する、宿泊税についてです。

そもそも宿泊税ですが、6000円以上の宿泊に対し、1人1泊あたり300円を徴収するものです。
観光振興策の財源となり、宮城県は年間およそ11億円の活用を見込んでいます。

課税の開始までおよそ1カ月となりましたが、宿泊事業者は準備に追われています。

仙台市宮城野区榴ヶ岡にある「丘のホテル」です。
こちらのホテルでは、宿泊税の導入にあたりレジシステムの改修が必要となりました。

しかし、仙台市の補助金の上限150万円を超える費用がかかると分かり、現在、市と納入業者にそれぞれ相談していますが、そもそも、1月13日にシステム改修が間に合うかどうか分からないそうです。

丘のホテル 梅原敏社長
「正直あと1か月で宿泊税の徴収がスタートするんですけれども、ホテル側の準備がまだ整っていないということで、現場としてはかなり不安を持っているというのが現状」

物価高騰の出口が見えない中、利用客に新たに300円の負担を課す宿泊税。

丘のホテル 梅原敏社長
「全体のご予約の中で、インターネットからの予約が8割を占めていますので、宿泊税の徴収の仕方をどうしたらいいのか思案中です」

徴収方法は事業者に委ねられていて、現金、クレジットカード、キャッシュレス決済などが想定されます。
仮に、インターネット上で外部の予約サイトを介し、クレジットカードで決済した場合、宿泊事業者は、客から受け取った宿泊税300円がのった宿泊料金の1割から2割ほどを、手数料として予約サイトやクレジットカード会社に支払う必要があります。

つまり、宿泊事業者が手数料を補填しなければならず、新たな支出が生まれるということです。
こちらのホテルが試算した結果、補填額は年間で最大、数百万円に上るそうです。

こうした状況を回避するため、こちらのホテルでは宿泊税をチェックインの際、現地で徴収することにしましたが、客の立場になって考えると、複雑な思いを感じると話します。

丘のホテル 梅原敏社長
「世の中がキャッシュレスとか省人化でオンライン決済が増えてきている中で、税金だけを現地で現金でというのはちょっと時代にそぐわないと思っていまして、やっていくうえでどうしてもその部分でお客様にも現場のスタッフにも負担がかかってしまうのであれば、インターネット上での宿泊税の支払いは致し方なく進めていく必要があるのかなと思っています」

仙台放送
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