青森県東方沖を震源とする地震で、震度5強を観測した岩手県一戸町では、世界遺産に登録されている御所野遺跡の敷地内で木の柱が折れる被害が確認されました。
増子智絵美記者
「世界遺産の御所野遺跡です。復元して建てられた柱の一つが根元から折れ曲がり、今は撤去されています」
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つとして世界遺産に登録されている一戸町の「御所野遺跡」は、縄文時代中期の集落が復元されていますが、12月8日の震度5強を観測した地震で高さ約2.7mの柱が倒れました。
被害が確認されたのは、遺跡の中心部に建てられた木の柱です。
このエリアは、木の柱3本が立っていましたが、9日の朝、このうち1本が根元から折れているのを町の職員が発見しました。
一戸町教育委員会によりますと、折れた柱は20年ほど前に設置され、経年劣化が進んでいたということです。
一戸町教育委員会 世界遺産課 菅野紀子文化財係長
「正直びっくりした。遺跡の中で誰もけがをしなかったのは幸いだった」
遺跡の敷地内で他に被害は確認されていません。
一戸町では今後、国や県と協議しながら、柱の復元方法について検討することにしています。