大きな節目を迎えた11日の国会。
物価高対策などの裏付けとなる18兆円を超える2025年度の補正予算案が衆議院の予算委員会を通過。高市首相はわずかに口角を上げました。
野党側の席にも駆け寄り、頭を下げて感謝を伝えました。
そんな高市首相に驚きの知らせが。
アメリカの経済誌「フォーブス」が10日に発表した「世界で最もパワフルな女性100人」で、EU(ヨーロッパ連合)のフォンデアライエン委員長、ヨーロッパ中央銀行のラガルド総裁に続く第3位に選ばれたことが明らかになりました。
「フォーブス」誌による講評では「高市氏の決断の全てが東アジアのパワーバランスと世界の製造業の安定につながる」としています。
そんな高市首相ですが、11日の衆議院予算委員会では物価高対策を巡る論戦で、食料品の物価高対策名目で拡充される交付金を自治体は水道料金の引き下げに充ててもいいのか野党が追及。
立憲民主党・井坂信彦衆院議員:
食料品の物価高対策のための特別加算で、水道料金の減免をして、結局いいんでしょうかダメなんでしょうか。
担当の黄川田地方創生相の答弁は…。
黄川田地方創生相:
えぇ~…え~…この、おぉ~水道の引き下げについては、政府において相談に応じて柔軟に対応することと。
立憲民主党・井坂信彦衆院議員:
いや、適宜柔軟にってことは、相手によってあなたはいいとか、あなたはダメとか個別に対応するんですか。1700の自治体があって。
黄川田地方創生相:
繰り返しで申し訳ございませんが、政府において相談に応じ、柔軟に対応することとしていきたい。
明快な答弁ではないと紛糾すると、高市首相が突然手を上げます。
高市首相:
今(交付金の予算が)足りない場合、柔軟に対応すると大臣がお答えしたということは、使えるということでございます。
その後、別の野党議員の質問にも黄川田地方創生相が不安定な答弁。
すると、またも高市首相が…。
高市首相:
委員のもしお許しが得られたら、さっきの黄川田大臣の答弁を説明をしたいんですが。
その後、補正予算案は委員会で採決。
与党の自民党と日本維新の会に加え、野党の国民民主党と公明党も賛成に回り可決しました。
まもなく衆議院の本会議で採決され、衆議院を通過する見通しで、論戦の舞台は参議院に移ります。
焦点の物価高対策では1つの節目を迎えた一方、悪化する日中関係は打開策が見えないまま。
れいわ新選組・阪口直人衆院議員:
この事態を作ったことへの責任をどのように感じていらっしゃるのか。
高市首相:
まず私たちが誇りに思わなければならないのは、戦後ですね、日本は世界の平和に貢献をし、そういった国として歩んできたということでございます。
こう述べる一方で、自身の発言に関する責任については言及しませんでした。
一方で、発信を強めているのが小泉防衛相です。
11日の安全保障委員会で小泉防衛相は「中国は平素から国内外で情報戦を行ってきております。防衛省を含め政府として一体となって、主張すべきものは主張していくことが重要であります」と述べました。
小泉防衛相はNATOのルッテ事務総長やイタリアのクロセット国防相らと相次ぎテレビ電話会談を実施。
中国軍のレーダー照射問題などについて“強い懸念を共有した”などとしています。