目の不自由な男性が投票所の職員に国民審査の代理投票を依頼したところ意向を伝える前に票が投じられ、国民の権利が奪われたとして静岡県静岡市に慰謝料を求めていた裁判で、12月10日、和解が成立しました。
原告・宇佐美達也 弁護士:
(代理投票制度が)万全に運用されるようにこれからも努めていくし、関係団体にも広報活動を行うと静岡市が言ってくれたことが一番大きい点
弁護士で視覚障がいをもつ宇佐美達也さんは2024年10月、衆院選の期日前投票で静岡市の職員に本人の意思を確認し、代わりに記載・投票する代理投票を依頼しました。
しかし、国民審査では宇佐美さんの意思を確認する前に職員が用紙を「白票」のまま箱に入れたため、保障されている国民の権利が奪われたとして慰謝料100万円を求め市を提訴していました。
そして10日、市が謝罪を行い、再発防止策を講じることで、和解が成立したということです。
宇佐美さんは7月の参院選でもすでに市の対応が変わっていたと話します。
目の不自由な弁護士・宇佐美達也さん:
(比例では)政党名が26ぐらいあったが、「読み上げますか」と問いかけてくれ、私もせっかくなので「読み上げてください」とお願いし、読み上げてくれた
市によりますと、再発防止策として新たに作成したマニュアルでは案内の仕方や投票前に確認すべき内容などを細かく記載したということです。
市は「支援を必要とする方々に、より丁寧で寄り添った対応を行うべきと認識した。誰もが安心して投票できる環境づくりを一層進めていく」とコメントしています。