白い煙が噴き出し続けるビルの最上階から、はしごを使って避難する人。
これはインドネシアの首都ジャカルタで9日正午過ぎに発生したビル火災の出火直後の様子です。
ビルの屋上には逃げ遅れたとみられる多くの人たちが取り残されていて、駆け付けた消防隊員によって救助されていました。
火災が発生したのは7階建てのオフィスビルで、これまでに22人が死亡。
ビルの窓ガラスは割れ、入り口付近は黒く焼け焦げています。
このビルはドローンを使った事業を行う日本企業「テラ・ドローン」の現地拠点で、犠牲者は全員が従業員。
現地の日本大使館によりますと、日本人の被害はなかったということです。
ビルで働いていたという男性は「ビルの1階でバッテリーが爆発しました。私は5階にいましたが、下から立ち上ってくる煙を見て屋上に逃げました。もう何もできませんでした」と火災発生時の状況を振り返ります。
現場近くに住んでいるという女性も「激しい爆発音が聞こえました」と火災発生の前に爆発音を耳にしたと証言します。
死亡した22人のうち15人が女性、7人が男性だということです。
消火活動には消防車29台、消防隊員約100人が投入され、火は3時間ほどでほぼ消し止められました。
出火原因について現地当局は、ビルの1階でドローンのバッテリーが爆発し、炎が上層階まで燃え広がった可能性があるとみて調べています。