佐賀市の老人ホームで元介護士の男が入居者に暴行し、死亡させた事件の裁判で、
男は当時の状況について「トイレの介助に何度も呼ばれ、今は動かないでほしいと
思い犯行に及んだ」と話しました。
起訴されているのは佐賀市に住む元介護士で無職の下津浦弘平被告36歳です。
起訴状などによりますと下津浦被告は今年5月、勤務していた老人ホームで入居者の80代男性に暴行を加え、死亡させたとして傷害致死の罪に問われています。
9日は被告人質問が行われ弁護側は当日の勤務状況について言及。
下津浦被告は動機について「夜勤の仕事が終わっておらず、焦ってパニックになっていた。トイレの介助に何度も呼ばれ、今は動かないでほしいと思い犯行に及んだ」と話しました。
被害者や遺族に対しては「大変申し訳ございません。犯した罪に真剣に向き合い、罪を償っていこうと思います」と反省の弁を述べました。
また、下津浦被告は自身の行為について「怪我をさせたという認識はなく、被害者の異変は自分の暴力が原因ではないと思った。暴力をふるったことは報告すべきだと思っていたが、できなかった」などと話しました。
裁判はあす結審します。