東京電力は、12月8日に発生した青森県東方沖を震源とする地震で、福島県沿岸に津波注意報が発表されたことを受け、福島第一原子力発電所で実施中だった処理水の海洋放出を午後11時42分に計画停止した。その後「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も踏まえ再開時期を検討していたが、避難経路の確認や連絡体制の明確化などの対策を講じたうえで作業を再開することを決定。準備が整ったことから、停止から約15時間後の12月9日午後2時34分に放出を再開した。
福島第一原発では、12月4日から通算17回目の放出を開始。12月22日までの19日間で約7,800t(タンク約8基分)を放出する計画としていて、計画停止となったものの、放出完了は計画通り12月22日を予定しているという。

処理水の海洋放出は、放出前の水をためる水槽と海水面の高低差を利用して海に流れるようになっているため、海面が高くなって水が逆流してしまう恐れがある場合や、設備の安全性を確認すべき場合には放出をとめることが定められている。
震度5以上の地震や津波注意報、竜巻注意情報(発生確度2)、高潮警報などで放出を手動停止することが決まっていて、これまで2024年3月の地震、2025年7月の竜巻注意情報や津波注意報でも手動停止したことがある。

“処理水”は、1号機から3号機の原子炉の中に残される事故で溶け落ちた核燃料が固まった“燃料デブリ”に、地下水や雨水などが触れることで発生する“汚染水”から大部分の放射性物質を取り除いたもの。海洋放出は2023年8月24日に開始された。

福島テレビ
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