8日午後11時15分頃に発生した、青森県東方沖を震源とする、最大震度6強の地震。震源の深さは 約50km。地震の規模を示すマグニチュードは7.5と推定されます。

この地震で、北海道の太平洋沿岸中部と青森県の太平洋沿岸、岩手県に津波警報が発令。9日午前6時20分に全て解除されました。

高市早苗首相は、9日午前8時すぎに会見を行い、「今回の地震により、負傷者30名、住宅火災1件の被害が報告されており、今後、北洋から三陸沖にかけての地域で大規模地震が発生する可能性が平常時より高まっている」と発表。引き続き警戒するよう促しました。

地震から一夜明けた9日、青森・八戸市を取材すると、建物の窓ガラスが大きく割れ、破片が歩道に広範囲で飛び散り…。

一部の建物には、1階と2階の間に大きな亀裂が入るなど、地震の大きさを物語ります。

フラワーショップでは店内の棚や植木鉢などが倒れ、「鉢ものが全部ダメになるとは思わなかったので、これから忙しい12月…大変です」と、花の需要が高まるクリスマスシーズンを前に、スタッフも肩を落とします。
地震直後に撮影された映像をみると、飲食店の店内は食器や調理器具などが床に散乱し、足場もないほどの状態に…。

飲食店スタッフ:
上段に置いていた物が、テレビと一緒に落ちてきて、かなり割れている状況ですね…グラスもかなり。(揺れが)1回ドンときて横揺れがすごく激しくて、ちょっと長めにも感じました。ガラスの破片まみれで、いま片付けが追い付いていない感じです。

繁華街の歩道には、がれきが散乱し、水道管が破裂したのか道路に水があふれている様子も確認できます。
広い範囲で被害…東日本大震災の教訓
岩手県や北海道など、広い範囲で観測された強い揺れ。北海道函館市内では、避難する車で一時渋滞も発生していました。

岩手県宮古市では、避難する人から「東日本大震災を思い出した」という声もきかれ、消防団員たちもその経験から、高台に避難し海を見守ります。

宮古消防団第7分団長 井戸端勝治さん:
十数年前のこともありますので、団員の人命が第一ですので高台のところに来て、あとは身を守っているしかないです。
とりあえず被害が一切出なくて、海の方ですと養殖にも影響がなくてというのが願いになります。

震度5弱を観測した青森県東北町では、地震の影響で道路が大きく陥没。その隙間に軽自動車が転落する事故が発生しました。

警察によると、車の運転手は腰の痛みを訴えて病院に搬送されましたが、命に別条はないということです。
今後の地震は?「非常に活発な時期になっている可能性」
気象庁は、“今後さらに大きな地震が発生する可能性もある”として、2022年の運用開始以来初めてとなる、「北海道・三陸沖 後発地震注意情報」を発表。

対象となるのは、北海道から千葉県までの182の市町村。
政府は今後1週間程度、地震や津波に備えて、家でもすぐに逃げられるような服装で過ごしたり、防寒具の備えを行うことや、非常用の食料などを手元に置くことなどの防災対応をとるよう求めています。

今年7月には、カムチャツカ半島沖でマグニチュード8.7を記録する地震も発生しましたが、千島海溝近辺が、地震が発生する可能性が高まっているのでしょうか?
東京大学地震研究所の笠原順三名誉教授に話を聞くと…。

東京大学地震研究所 笠原順三名誉教授:
(過去の大地震から考えても)大きな地震が固まって起きることがある。そこから考えると、三陸沖も非常に活発な時期になっている可能性があります。
注意する期間を「1週間程度」と言っていますが、スマトラ沖地震ではM9.2の地震の後3カ月後にすぐとなりでM8.6の地震が起きている。1週間はひとつの目安で、もう少し長めで、関連した大きな地震が起きる可能性もあるので、注意がなかなかいつまでとは…なんですが、もう少し長めに考えた方がいいのではないかと。

――予測は立てられない?
それがなかなか…、地震が起こるかどうかというのはなかなか言えないんです。それは難しいところです。

――今後どういったことに注意が必要でしょうか?
やはり冬場で非常に寒いので、十分な防寒、暖かい服などを用意しとくことが大切です。
また、3.11のときに体感したのですが、冬で道路がアイスバーン状態になっているんですね。そのような状態なので、逃げるにしても気をつけることが大切です。

谷原章介キャスター:
津波が起きるときは、車で逃げてはいけませんよね。渋滞に巻き込まれてしまいますから、津波が起きる際は徒歩での迅速な移動が大切ですよね。

佐々木恭子キャスター:
新たに家具の固定を確認するとか、備蓄の確認とか、常日頃やっている防災強化のさらなる強化を確認する時期だということですね。
(「サン!シャイン」 12月9日放送)
