コメの価格高騰が続く中、正月にかかせない餅まで価格が高騰している。餅とコメのダブルショックで悲鳴の声が上がっている。
農家の生産切り替えで「もち米」も価格高騰
つきたての餅に、具材をたっぷりのせたメニューとふんわりと優しく握ったおにぎりが自慢の埼玉・富士見市の「おにぎりとつきたて餅の専門店 米咲」。

客:
食べ応えもあるし、今の季節に食べたくなる。
日本の食文化の代表とも言える餅とおにぎりを扱うこの店は、今、価格高騰のダブルショックに見舞われている。

米咲・小林圭悟店主:
まさかもち米とお米が同時に値上がるとは思っていなかったのでびっくり。もち米だと1kgだいたい980円前後、それが今値上がって1kg1500円くらい。本当にどうしようかと。
通常のコメに加え、もち米の仕入れ値がこの1年で1.5倍に高騰。「令和の米騒動」の影響で、農家がもち米から主食用の米に生産を切り替える動きが広がり、もち米の価格を引き上げたという。

都内のスーパーでは正月に欠かせない「のし餅」の価格が2024年に比べ400円値上がりしていた。
客:
毎年食べるものなので、なるべく買いやすい値段のものを選ぶ。
店では、のし餅の予約が半減するなどの影響が出ていた。
アキダイ・秋葉弘道社長:
平年だと全体で700枚くらいご注文いただいているが、まだ200枚とかそういうレベルなので結構心配している。

さらに主食用のコメも、新米が店頭に並び始めて3カ月以上が経つ今も高止まり状態だ。
最新のスーパーでのコメ価格は再び最高値を更新。11月24〜30日の平均価格は5kg4335円と、11月3~9日に記録した4316円を上回り、過去最高となった。
1分間で「新米盛り放題」に大行列
千葉・木更津市の道の駅「うまくたの里」では週末、お得なコメを求め、大行列ができていた。
子ども:
(お米を)すくいに来ました。
母親:
年末にかけてお金が出て行ってしまう。お米安くいただけたら嬉しい。

お目当ては、制限時間1分で五合升に新米盛り放題というイベント。升いっぱいに盛ったコメの重さを計ると、1kg以上の新米をワンコインでゲットしていた。
子ども:
いっぱい取れた~!
父親:
助かります家計に。
母親:
(5kg)4000~5000円くらい新米はするので。
コメ価格は2026年2月頃から下落する可能性
コメの高騰はいつまで続くのか。専門家は「2026年の初めには価格は下がるだろう」と指摘する。

宮城大学(農業経済学者)・大泉一貫名誉教授:
お米の動きが非常に良くない。つまりあまり売れない。スーパーが卸に「もっと安くしてくれ」と言い始める時期がいつ頃なのか。それは年を越してからだろうと。
コメ余りと、2026年度の増産を見込んだ値動きなどが重なり、2026年2月ごろから価格は下がるという見方だ。
宮城大学(農業経済学者)・大泉一貫名誉教授:
(値下がり幅は5kg)500円~600円くらいでしょう。1000円以上下がる暴落になる可能性もなくはない。

コメが暴落する可能性もあるという中で、政府が物価高対策として活用を促すのが「おこめ券」だ。
しかし、FNNが鈴木農水大臣の地元で、米どころでもある山形県の全35市町村に聞いたところ、「おこめ券を配布する」方針を示した自治体は一つもないことが分かった。
自治体の経費負担など批判的な声もあがる「おこめ券」。山形県内ではすでに5つの自治体が「配布しない」方針を示している。
(「イット!」12月8日放送より)
