歌を愛する長野県の10歳の女の子。声楽を学んで1年半余り、高く澄んだ歌声が評価され、2025年、全国コンクールで最高賞に輝いた。大好きな歌を「多くの人に届けたい」と先日、初めてのコンサートに挑戦した。

全国コンクールで最高賞

♪「The Sound Of Music」

会場に響く中野ありすさん10歳の澄んだ歌声。

2025年、声楽の全国コンクール・小学生部門で最高賞を受賞し、感謝の思いを込め、初めてのコンサートが開かれた。

♪「エーデルワイス」

初めてのコンサート(1月12日)
初めてのコンサート(1月12日)
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訪れた人:
「心が研ぎ澄まされていくような感覚で、本当に良かったです」
「一瞬でその場の雰囲気を変えてしまうような歌声」

小学4年生・中野ありすさん(10):
「まず一番は、聴いてくれる方々が幸せになってもらえるように歌うのと、あと、自分も幸せになれるように歌います」

「歌っている時が一番幸せ」

東京で生まれたありすさん。

幼い頃から歌うことが大好きだった。

母:
「気持ちの込め方が(子どもの)普通の感じとは違うかなって」

父:
「歌を歌ってる時はすごく楽しそうだったし、でもこんなになるとは思わなかったですね」

中野ありすさん(10)
中野ありすさん(10)

中野ありすさん(10):
「歌ってる時が一番自分らしくいられるし、幸せです。(歌は特別ですか?)特別です」

2024年、豊かな自然にひかれ家族で長野県に移住した。

信州でみつけた「自分らしさ」

ありすさんが通うのは、小学生から中学生まで10人余りが通う「オルタナティブスクール」。

スクールの代表:
「子どもたちが勉強だったり、遊びだったりできるように、基本的には笑顔で過ごせるように努めています」

それぞれのペースで学習に取り組む。

中野ありすさん(10):
「きょうは漢字をやっています。(好きな教科ってある?)国語です」

文章や物語が好きで気持ちを詩につづることもある。

学校生活では戸惑いや悩みを抱えることもあったありすさん。

今は自分のペースを大切にしている。

特に気に入っているのが森の中で過ごす時間だ。

自然を感じる大きなトランポリンも!

森の中にはトランポリンも
森の中にはトランポリンも

中野ありすさん:
「気持ちいいし、楽しいし、普段、何かあっても、森の空気を吸ったら心がきれいになる。(ありすさんにとってどんな場所?)自分らしくいられる場所です」

「自分らしさ」を大切にしよう―。

信州の自然を感じて学ぶ中、一番自分らしくいられる「歌」への思いがさらに強くなっていった。

表現力など評価され「三冠」

1年半ほど前から県内の音楽家の下で本格的なレッスンを受けている。

声楽の指導者:
「(ありすさんの魅力は)まずきれいな声ですね。無理のない、素直できれいな声。自分自身の良さをしっかり見つけて、それをちゃんと表現できるようになっていった」

音楽家の下で本格的なレッスン(1月6日)
音楽家の下で本格的なレッスン(1月6日)

2025年はさまざまなコンクールやオーディションにも挑戦。

8月に開かれた日本ジュニア声楽コンクールでは、地方大会を勝ち抜いた全国18人の中から小学4年生にして「最高賞」に輝いた。

「高音域発声の成熟度の高さ」「熟練した大人のような表現力」が評価され、「小学生部門1位」「歌唱表現賞」「外国語歌唱賞」の三冠。

中野ありすさん:
「レッスンを始めてみたら、もっと、もっと好きになって、歌っていいなって思うようになりました」

母:
「歌に関しては『やります!』みたいな感じで、根性を出してきて、やっぱり好きだし、やりたいんだなって」

父:
「それが彼女の一番の自信になったので、本当にうれしかったですね」

「自分の歌で幸せを届けたい」

心の成長を支えてくれた「歌」。

今度は「自分の歌でみんなに幸せを届けたい」と地元で初めてのコンサートを開くことを決めた。

声楽の指導者:
「『G』じゃなくて、『SI』なので、『ズィ』。Nella Fantasia」

コンサートを6日後に控えたこの日、確認していたのはイタリア語の歌詞。初めて挑戦する楽曲だ。

♪「Nella Fantasia」
「Nella Fantasia io vedo un mondo giusto」
(空想の中で 私は正しい世界を見ている)

中野ありすさん:
「普段使っていない言語を急に歌うのは難しい」

ありすさんの高音が生きる楽曲。

声楽の指導者:
「小学4年生で高い声が頭声(裏声)できれいに出るっていうのはあまり見たことがない」

中野ありすさん:
「(本番に向けてどうだった?)もうちょっと声が響けば(笑)」

本番に向け練習
本番に向け練習

中野ありすさん:
「元気でいますか?大事な人はできましたか?」

声楽の指導者:
「ちょっと棒読みだな、まだ。大事な人って誰?」

歌詞に込められた想いを考え、表現力も磨いていく。

中野ありすさん:
「大事な人は できましたか?」

声楽の指導者:
「うまいじゃん」

♪「明日への手紙」
「元気でいますか 大事な人はできましたか」

本番に向け練習が続く。

観客を魅了した初の単独公演

そして迎えたコンサート当日。

中野ありすさん:
「あんまり緊張はしていないです。(楽しみ?)はい」

地元の住民や友達が続々と集まり、ついに開幕。

中野ありすさん:
「春をまちながら、ウキウキする気持ちで歌おうと思って『早春賦』を1番目に選びました」

♪「早春賦」

4曲目は練習で苦労していたイタリア語の楽曲。

♪「Nella Fantasia」

♪「Nella Fantasia」
♪「Nella Fantasia」

澄んだ高音が響く―。

♪「明日への手紙」

声楽の指導者:
「ありすさんはもともと、聴いてくれる人が幸せになるように歌いたいと言っていたので、今までと違う引き出しというか、新しい歌が歌えたんじゃないかな」

将来の夢はミュージカル俳優

全9曲のプログラムで最後に選んだのは、ありすさんにとって特別な歌。

♪「Climb Ev’ry Mountain」
映画「サウンド・オブ・ミュージック」より
「Climb every mountain Ford every stream Follow every rainbow Till you find your dream」
(すべての山に登りなさい すべての小川を渡って すべての虹を追いかけて あなたの夢が見つかるまで)

中野ありすさん:
「つらいときは、歌を歌ったら楽しくなれるよっていうメッセージ。一番は聴いている人が幸せになってくれることと、あとは自分らしく歌って、自分が幸せな気持ちで歌えるように意識しました」

♪「Climb Ev’ry Mountain」
♪「Climb Ev’ry Mountain」

2公演、約60人の観客を魅了し、終演。

中野ありすさん:
「うれしい気持ちと、もうちょっと歌いたかったなという気持ちが重なっています」

小学校の友達も駆け付けてくれた。

友達:
「すごくきれいな声ですごかった」
「ずっと高いきれいな声が出ててすごかった」

スクールの代表者:
「本当に素晴らしくて。心が美しいから歌声も美しいんだなと」

将来の夢は「お医者さん」ともうひとつ―。

中野ありすさん:
「楽しそうに歌ったり、きっと体力も必要だけど、疲れたってところを見せずに楽しませてくれる、ミュージカル俳優になりたいです」

長野放送
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