紀州のドンファンと呼ばれた資産家の男性を殺害した罪などに問われ、一審で元妻に無罪判決が言い渡された裁判。
きょう=8日、控訴審が始まり、弁護側は改めて無罪を主張しました。
眼鏡をかけ、黒のスーツ姿で出廷した須藤早貴被告(29)。
【裁判長】「お名前をよろしいですか」
【須藤被告】「須藤早貴です」
【裁判長】「職業は」
【須藤被告】「無職です」
須藤被告は7年前、和歌山県田辺市で元夫で資産家の野崎幸助さん(当時77歳)に覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われています。
■一審では、事故の可能性否定できず、「被告人の犯行に合理的疑いが残る」として無罪判決
一審の裁判員裁判で須藤被告は、無罪を主張。
【須藤被告】「私は社長を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません。私は無罪です」
検察は、須藤被告がインターネットで、「完全犯罪」などと検索していたことや、密売人と覚醒剤購入のやり取りをしていたこと。
さらに、覚醒剤を摂取したとされる時間に、野崎さんと2人きりだったことなどから、須藤被告の犯行だと指摘し、無期懲役を求刑しました。
和歌山地裁は、去年12月、野崎さんが誤って、覚醒剤を多量摂取した事故の可能性を否定できず、そのほかの検察の立証をもっても「被告人の犯行に合理的疑いが残る」として、無罪判決を言い渡しました。
■控訴審で検察は新たに複数の証拠を請求するも、裁判所は全ての証拠を却下
検察は判決を不服として控訴。
8日、大阪高裁で始まった控訴審で検察は、「重要な間接証拠を過小評価し、総合的に判断していない」などとして、証人尋問など新たに複数の証拠を請求しました。
これに対し、弁護側は新たな証拠を調べる「やむを得ない事情はない」と反論し、改めて無罪を主張しました。
裁判所は検察が求めた全ての証拠を却下。裁判は即日結審し、判決は3月23日に言い渡される予定です。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年12月8日放送)