J3リーグのテゲバジャーロ宮崎がクラブ史上初となるJ2昇格プレーオフに挑む。リーグ戦4位の同クラブは、トーナメント方式で行われるこの一発勝負の初戦で、5位の鹿児島ユナイテッドFCと対戦する。九州ダービーとなる激戦を前に、選手たちは最終調整に余念がなく、大熊裕司監督とJ3得点王の橋本啓吾選手は、J2昇格への強い決意を語った。
プレーオフ初戦は“九州ダービー”
J2昇格をかけたプレーオフは、リーグ戦3位から6位の4チームによるトーナメント方式で行われ、勝ち抜いた1チームのみがJ2昇格の切符を手に入れることができる。
リーグ戦4位のテゲバジャーロは、まず12月7日(日)の準決勝で、5位の鹿児島ユナイテッドと対戦。これに勝てば12月14日の決勝に進み、リーグ戦3位のFC大阪とリーグ戦6位のツエーゲン金沢の勝者と、J2昇格を争うことになる。

負けたら終わり、一発勝負のプレーオフを控えた12月3日、テゲバジャーロ宮崎の選手たちは引き締まった表情で連携の確認など最終調整を行った。練習は約1時間半にわたり行われ、選手たちは互いに声を掛け合いながら攻撃の組み立てや競り合いでのボールの奪い方などを確認した。

テゲバジャーロ宮崎 大熊裕司監督:
今までやってきたことをもう一度しっかりやることを意識している。非常に良い緊張感の中でプレーできている。
プレーオフ初戦で対戦する鹿児島ユナイテッドFCは、過去にJ2でのプレー経験を持つ。テゲバジャーロは、今シーズンのリーグ戦では、第7節(3月30日)が1対1の引き分け、第28節(9月20日)は0対2で敗れている。
得点数を見ると、鹿児島ユナイテッドはリーグ1位の69得点。テゲバジャーロ宮崎はリーグ3位の61得点。攻撃力の高いチーム同士の対戦について、大熊監督は次のように述べた。

テゲバジャーロ宮崎 大熊裕司監督:“先制点”というのは非常に重要と思っている。我々には“エース”がいるので、しっかりとそこにボールを集めながら先制点をとりたい。警戒されても、それを上回る力を持っているので取り切ってくれるだろう。
J3得点王、橋本の“進化”
監督が絶大な信頼を寄せるエース、橋本啓吾選手は、今シーズンのリーグ戦で25得点を挙げ、J3の得点王に輝いた。
橋本選手の躍進は、数字にも明確に現れている。それが“シュート決定率”だ。前半戦の13.6%に対し、夏の中断期間後の後半戦は48.6%と飛躍的に向上し、勢いに乗っている。

テゲバジャーロ宮崎 橋本啓吾選手:
味方との連携も良くなってきているし、そのあたりが決定率向上につながっていると思う。
後半戦で、味方との連携を強化した成果が最も現れたのは、リーグ戦第33節ガイナーレ鳥取戦の一場面。テゲバジャーロ宮崎はサイドラインでパスをつなぎ、空いたスペースへパスを送った。見事な連携で橋本選手がフリーになる状況を作ってゴールを決めた。

橋本選手は「どれだけフリーになれるかを意識した」と振り返り、「味方とつながりながら最終的にフリーになってシュートを打てたので、良いゴールだった」と語った。高めてきた攻撃力で“夢の舞台”を掴み取ると、橋本選手は心に決めている。

橋本啓吾選手:
チームが勝つために献身的に走ることや、ボールを収めることをしっかりやった中で、得点を取って勝利につなげたい。もうJ2昇格以外に今欲しいものはないので、それだけを追い求める。
チームは非常に良いチームワークで練習を行い、監督や選手が手応えを感じている様子だった。J2昇格プレーオフの初戦は、12月7日(日)にホームのいちご宮崎新富サッカー場で開催される。
(テレビ宮崎)
