人口減少が進む中山間地域にあるスーパーに先月、ある施設がオープンし、人気を集めています。地元をにぎやかに…店の思いを取材しました。

【毛利祥子記者】
「こちらは世羅町のスーパーなんですが、店内にあるのは…カラオケです」

世羅町の中心部にあるスーパー「ショージ世羅店」。
先月、店内にオープンしたのは、買い物客が利用できるカラオケルームです。
これまでバックヤードとなっていた場所を改装し、6人程度が入れる3部屋をつくりました。
スーパーの店内にカラオケルームができるのは、県内では珍しいといいます。

【ショージ世羅店・中原光弘店長】
「世羅地区というのは観光はすごくいいところなんですけど、なかなか地元の人が遊べるところが少なくてやっぱり困っていると思い、やってみようかと決断しました」

料金は30分で1部屋550円。
地元を中心に話題となり、多い時には順番待ちも出るほどの人気です。

【初めて利用(20代)】
Q:世羅にはカラオケはあった?
「昔はあったという話は聞いたことがあったが、自分が生まれたときにはもうなくて、遊べる場所もなかったのでできたのはいい」

こちらの男性は元々、スーパーの買い物客でしたがすでにカラオケルームの常連となっているそうで…

【カラオケルームの常連(70代)】
「週3回くらい来ています。いいですね。買い物来たついでに歌って帰るとかね。自分の空間になりますから楽しい。健康にもいい」

さらに、スーパーならではの注目ポイントが店内で買った食料品の持ち込みです。
お惣菜をそのまま食べることができるのは、まさにスーパーならでは。
売り上げの増加につなげようと、カラオケルームの設置に合わせて店内の売り場づくりも工夫しています。

【ショージ世羅店・中原光弘店長】
「こちらのポップを見てもらいたいんですけど、カラオケにお勧めできる商品につけている。手軽に食べられるスナック関係、から揚げやポテト、中でも人気なのがたこ焼き。これはオリジナルで作っている」

スーパーとカラオケ。
異業種の組み合わせとあって、改装には苦労もあったといいます。

【毛利祥子記者】
「扉はしっかりとした作りで音漏れの心配はありません」

買い物中の来店客とルームの利用者が互いに気持ちよく過ごせるよう防音設備にはこだわっています。
そして、店側も予想しなかった新たな来店客の獲得にもつながりました。

【ショージ世羅店・中原光弘店長】
「意外に10代、20代の方が多く来られて見かけないお客さまも来店されて嬉しいです。(店の)裏が世羅高校なので、(生徒が)『30分だけ楽しもう』とかそういう感じで気軽に来られているので、それが本当にうれしいです」

歌で地元を元気に…世代を超えて地域を盛り上げる存在となりそうです。

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。