鹿児島市で開催された「おはら祭」への参加を認められなかった旧統一教会関連団体の代表者が、参加拒否の取り消しを求める行政訴訟を起こした。この訴訟の第一回口頭弁論が12月2日に開かれた。

「信教の自由の侵害」と主張

訴えを提起したのは、「鹿児島家庭教会おはら祭愛好会」の代表を務める南九州市在住の71歳の男性である。訴状によると、この男性は2025年11月に行われた「おはら祭」に踊り連として参加を申請したが、おはら祭振興会から「旧統一教会との関係が類推される」「参加がふさわしくない」などの理由で参加を認められなかった。

男性側は、旧統一教会について「民事訴訟を理由に反社会的とするのは誤り」と主張。さらに「宗教を理由に参加が認められないのは信教の自由を侵害する」として、おはら祭振興会の事務局を務める鹿児島市に対し、参加拒否決定の取り消しを求めている。

旧統一教会関連の参加申請を断られた団体代表が鹿児島市を提訴
旧統一教会関連の参加申請を断られた団体代表が鹿児島市を提訴
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鹿児島市は却下を求める

これに対し鹿児島市側は「参加拒否は振興会が決めたことで行政訴訟の対象にならない」と反論。加えて「2025年のおはら祭はすでに終わっており、仮に参加拒否を取り消しても原告に何の法的利益も認められない」として、請求の却下を求めている。

「来年も再来年も断られることを防ぎたい」

男性は自身の主張について、次のように述べた。

「憲法の下で保障されている信教の自由、個人の権利、そこも当然争う。2年連続(参加申請を)断られたので、私たちは来年も再来年も断られるのではないか。それを防ぎたい。そういう意味では我々に利益はある」

「来年も断られるのでは」参加拒否の撤回求め提訴した男性
「来年も断られるのでは」参加拒否の撤回求め提訴した男性

おはら祭と参加資格をめぐる議論

おはら祭は鹿児島市の代表的な祭りであり、地域文化を象徴するイベントである。今回の訴訟は、公共的な文化行事への参加資格と宗教団体の関係性、そして憲法で保障された信教の自由の範囲についての議論を投げかけている。裁判所がどのような判断を下すのか、今後の展開が注目される。

(動画で見る▶「おはら祭」旧統一教会関連団体代表が参加拒否取り消し求め提訴 “信教の自由”を主張)

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鹿児島テレビ
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