島根県松江市の松江城近くで建設中の高さ19階の高層マンションをめぐり、建設中止を求めた仮処分が却下されたことを受けて、建設に反対する市民団体は、不動産会社などを相手取り、「16階より上の階の取り壊し」を求める裁判を起こす考えを明らかにしました。
松江市の市民団体「まつえ/風景会議」は、松江城近くで建設中の高層マンションが景観を享受する権利を侵害しているとして、2025年9月に建設中止を求める仮処分を申し立てていました。
松江地裁は11月27日に、「マンション建設が、景観利益を違法に侵害しているわけではない」として申し立てを却下しました。
これを受け市民団体は、マンションの事業者などを相手取り、近隣のビルで最も高い44メートルを超える16階より上の階の建設中止と撤去を求める訴えを12月中に起こす考えを明らかにしました。
松江城近くの松江市殿町の高層マンションは、大阪の京阪電鉄不動産が計画。
19階建てで高さは約60メートル、県内最大級で松江城天守を超えるとみられます。
市民団体は、建設の手続きなどを巡って松江市の対応に問題があり、景観を享受する権利の侵害にあたると主張しています。
まつえ/風景会議の本間順一代表は「ここは東京ではありません。松江にあの“ゴジラマンション”は不要です」などと訴えています。
マンションは18階まで工事が進んでいると見られ、2026年7月下旬に完成する見込みです。