島根県江津市桜江町の温泉リゾート「風の国」にある工房で、和紙の原料になる「楮」の皮を柔らかくして剥ぎ取りやすくする「そどり」作業が始まりました。
「そどり」は長谷地区で100年を超えて続く技法で、「石州勝地半紙（せきしゅうかちじばんし）」の職人、佐々木誠さんがただ1人受け継いでいます。
使われるのは「甑（こしき）」と呼ばれる釣り鐘のような大きな樽。
高さ1.6メートル、幅1.4メートル、約120年に渡って使われてきたものを、和紙作りを引退した叔父から譲り受けました。
樽には約1200本の楮が入れられ、4時間から5時間ほど蒸したあと工房に運ばれ、佐々木さんが1本1本丁寧に皮を剥いでいきます。
佐々木誠さん：
今年は大きく育った物が多く、数量も多いと思います。（この時期の）風物詩にもなっているので、この先も続けて行きたいです。
「そどり」作業は年末までにあと7回行われ、年が明けると早々に紙漉きが始まります。
