プレスリリース配信元：株式会社ジオクリエイツ

乃村工藝社本社ビルリクルーティングスペース「Tokeru」設計・施工プロジェクトを事例に、日本感性工学会大会にて発表

空間を総合的にプロデュースする株式会社乃村工藝社（本社：東京都港区、代表取締役：奥本清孝／以下、乃村工藝社）は、建築ＶＲを展開する株式会社ジオクリエイツ（本社：東京都港区、代表取締役：本田司／以下、ジオクリエイツ）とともに、2025年9月19日（金）にタワーホール舟掘（東京都江戸川区）で開催された第27回日本感性工学会大会のナイトセッションに登壇し、実験の結果を発表したことをお知らせします。

画像（左）、写真（右）：乃村工藝社提供

■乃村工藝社とジオクリエイツの取り組み

乃村工藝社は本社ビル内にリクルート面接のための新たな空間「Tokeru」を新設しました。この空間は、採用面接を受けられる方の緊張を和らげ、リラックスして自分らしいパフォーマンスを発揮できるように設計されています。企画からデザイン、設計、施工までを乃村工藝社がBIM※を活用し一貫して手掛けました。ジオクリエイツは乃村工藝社と共同で「Tokeru」の設計段階のイメージVRと竣工後の現地における在室者の脳波を測定し、双方で空間の感じ方が整合していることを確認しました。
※BIM（Building Information Modeling）：コンピュータ上に作成した3次元データを使って設計や施工などを推進していく仕組み

■日本感性工学会大会での発表内容

ジオクリエイツは2025年9月19日（金）の日本感性工学会大会において先述の整合を確認した実験内容を発表しました。

背景
建築内装設計の領域では、近年、３次元モデルの設計が推進されています(BIM、VR) 。一方で、３次元の設計モデルと、竣工した現地が空間体験として整合するか、これに伴う、設計段階の合意形成や効果測定が有効か、十分に確認されていませんでした。

目的
設計段階のイメージＶＲと竣工した現地の両方で、高精度脳波計を用いた実験で検証し、整合を確認します。また、その検証の変数として、実際に調整が課題となることが多い観葉植物の有無を扱い、更に、木材や空間構成も着眼して、ＶＲと現地の空間が、体験者に与える影響を考察しました。

実験環境
場所：乃村工藝社本社ビル内、リクルーティングスペース「Tokeru」
ＶＲ：Autodesk Revitで３次元モデルを作成し、UnrealEngineにてＶＲ化
視点：ＶＲと現地それぞれ３視点で計６視点
変数：緑（観葉植物）の有無

実験機材・方法
被験者　：３名（乃村工藝社社員）
ＶＲ機材：HTC VIVE PRO EYE（UnrealEngineから360°画像出力して使用）
計測体制：座位（ＶＲと現地それぞれ３視点すべて）
計測時間：90秒（３視点のVR画像・現地位置の計測順はランダム、ベースラインの計測は事直前に30秒）
脳波計　：Polymate II AP216　(TEAC社)　 (12channel、アクティブ電極)
脳波処理：-500 Hz サンプリング、リファレンス（計測時）: 右乳様突起、（解析時）Average reference
-アーチファクト減弱：ICA correction (目視によるアーチファクト成分の同定、除去)
解析結果：ＶＲと現地のそれぞれ３視点での計測結果を、3名の検定値の合算値（Z値換算）、（赤が脳波振幅の増大、青が脳波振幅の減弱を示す）。（1-sセグメント毎に周波数振幅を算出し、振幅の差に関する検定（t検定）を行った）。

写真（左）、写真（右）：乃村工藝社提供


実験結果
ＶＲと現地の脳波周波数振幅について、統計的に有意な相関が確認できました。
（高精度脳波計の電極12点、計測地点3点、脳波3周波数帯（α波・β波・θ波）での脳波振幅（3名の参加者の平均値（ベースラインからの変動をt値に換算）の各108点を解析。t(106)=4.12, p<0.0001）








まとめ
ＶＲと現地で、同程度の脳波の計測結果が得られ、空間体験の整合が取れており、合意形成や効果測定に活用できることが確認できました。今後も積極的にＶＲを活用し、設計段階から空間体験価値が確認できる状態をつくることで、設計の効率化・高度化を進めていく方針です。

■乃村工藝社リクルーティングスペース「Tokeru」について

乃村工藝社本社ビル内に設けられたリクルート面接のための空間です。面接時の緊張を和らげ、心を解きほぐすため「Tokeru（解ける）」をコンセプトとしています。
詳細： 乃村工藝社が、リクルーティングスペース「Tokeru」を新設― BIMとサステナビリティの融合による、心を解きほぐす空間 ― | 株式会社乃村工藝社 / NOMURA Co.,Ltd.

■日本感性工学会大会について

感性工学は、人間の感性を科学的に理解し、その知見に基づいて製品やサービスをデザインしようとする学問です。日本感性工学会大会は、感性工学についての研究成果を発表する大会で、毎年開催されています。第27回となる今回は、「違いのわかる感性」をテーマに開催されました。
会期：2025年9月17日（水）～9月19日（金)
会場：タワーホール船堀
共催：（一財）感性科学協会
後援：日本学術会議
詳細：https://www.jske.org/night-session/night-session-3972/
企画・実施運営：日本感性工学会感性計測評価部会　
内容：
ナイトセッション＿６：感性に関わる計測評価の標準化（計測）
9月19日（金）17：00～　B（研修室）
【登壇者一覧】
大倉典子（中央大学）
古川勉寛（医療創生大学）
小田 一之 (インタークロス株式会社)
本田司（株式会社ジオクリエイツ　※乃村工藝社と共同研究）、
染谷朝幸（株式会社日建設計）、下田一久（東京消防庁）
山口穂高（日本大学）

■乃村工藝社について

会社名：株式会社乃村工藝社（英語表記: NOMURA Co., Ltd.）
創業：1892年（明治25年）3月15日
所在地：東京都港区台場2丁目3番4号
代表者：代表取締役 社長執行役員　奥本 清孝
資本金：64億97百万円（東証プライム市場上場）
URL　：https://www.nomurakougei.co.jp/
乃村工藝社は、商業施設、ホテル、企業PR施設、ワークプレイス、博覧会、博物館などの調査・企画・コンサルティング、デザイン・設計、制作・施工から運営・管理までを手掛ける空間の総合プロデュース企業です。グループ全体では、全国11拠点・海外9拠点、国内外7つのグループ会社で事業展開しています。1892年（明治25年）の創業から130年以上にわたり培ってきた総合力を活かし、フィジカルとバーチャルを融合させた空間価値の提供をしています。

■ジオクリエイツについて

設立　　： 2012年6月15日
所在地　： 東京都港区西新橋1-7-5 BIRTH TORANOMON
代表者　： 代表取締役　本田 司
資本金　： 1億4050万円（資本準備金含む）
事業内容： VR用SaaS「ToPolog」開発・運営、VR/AR・AIサービスの企画・開発
URL　　： https://geocreates.net/
「すべての人に最高の空間体験を！」をビジョンに掲げ、空間体験価値を定量化する空間アナリティクスツール「ToPolog(トポログ)」を展開しています。国内外の様々なインテリアや建築や都市のプロジェクトでの関与実績から、設計者・事業主・エンドユーザー間の課題を捉え、設計段階や設計前後の現地のVRでの視線や脳波を実測・推定でデータベース化・AI化して、不動産・防災・小売などの事業領域で空間デザインの民主化を実現します。

■本件に関するお問合せ

株式会社乃村工藝社　ブランドコミュニケーション室
担当：佐々木、岡村
メール：prs@nomura-g.jp

株式会社ジオクリエイツ広報担当
電話　：03-6435-0743
メール：pr@geocreates.ne

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