木原官房長官は27日の会見で、ICAO=国際民間航空機関の理事会議長に日本人が初めて選出されたことについて、「歴史的にも極めて意義深い」と述べた。
ICAOは、国連にある15の専門機関のひとつ。航空の安全や環境問題など、航空に関する様々な分野で国際的なルールを策定する。
カナダ・モントリオールで現地時間26日に理事会議長選挙が行われ、36の理事国の投票の結果、日本が擁立した大沼俊之ICAO政府代表部特命全権大使が次期理事会議長に選ばれた。日本人が議長に就任するのは初めて。
木原長官は、「アジア大洋州地域は、同機関の約80年の歴史の中で、理事会議長を輩出していない唯一の地域である」とした上で、「今回の大沼氏の選出は歴史的にも極めて意義深いものであり、これを歓迎する」と述べた。
その上で、「政府としては、国連機関における日本人の活躍を通じた日本のプレゼンス向上を重視しており、今回の選出はそうした取り組みの成果であろうと思っている」と強調した。
また、「航空分野における日本の経済安全保障の進展や経済外交力の向上にも寄与するもの」として、「今後ともICAOをはじめとする国連機関との連携を強化し、国際社会からの期待に応えていく」と述べた。
(写真:ICAO次期理事会議長に選出された大沼俊之氏 国土交通省提供)