坂井市春江町の「春近染色工業」が事業を停止し、近く福井地裁へ自己破産を申請する見込みであることが分かりました。
民間の調査会社・帝国データバンク福井支店によりますと、同社は1967年(昭和42年)に設立された繊維の染色整理加工業者で、県内の商社や繊維関連メーカーから染料や薬剤を仕入れて受注生産をし、加工料を得ていました。
一時は輸出向けが85%前後を占めましたが、大手が海外に生産部門をシフトしたことで輸出向けが60%前後に低下。工場火災もありましたが、内部の合理化を進めるなどして経営を立て直し、95年3月期は約6億800万円の売り上げを計上していました。
しかし、多くの同業者が海外へ生産拠点をシフトする中で経営環境は厳しくなり、収益が低迷。2025年3月期には売り上げが約3億5000万円に減少し赤字決算に。取引先への支払い遅延も発生し、先行きの見通しが立たないことから自己破産申請の準備に入りました。
負債は債権者約77人に対し、約2億円の見込みです。