26日も市街地にクマが出没。
26日朝、FNNのカメラは駅近くの木の上に居座る1頭のクマを捉えました。
ゆっくりと木から下りたかと思えば、再び木に登るクマ。
現場は岩手・釜石市のJR釜石駅近くの線路沿いで、多くの車や人が行き交う市の中心部です。
クマは約1.2メートルの成獣で、木の下に罠を仕掛けましたが捕獲できず。
5時間以上にわたって木の上に居座り、付近の道路は通行止めになりました。
そして午後1時ごろ、市は緊急銃猟を実施しました。
クマは木から落下。
斜面の上から猟師などが確認する様子も見られました。
その後、クマは駆除されました。
11月下旬となり、まもなくクマは冬眠の季節。
しかし、クマによる被害は止まることなく、“冬の味覚”にも及んでいます。
岩手・盛岡市では20日、リンゴ倉庫に巨大なクマが侵入しました。
ライトに照らされても一切、人を気にすることなくリンゴを食べ続ける巨大なクマ。
リンゴ園は住宅街にあるため銃は使えず、巨大グマ捕獲のため吹き矢に使う麻酔が準備されました。
そして、クマが顔を上げたその瞬間、獣医師が放った吹き矢の麻酔がクマに命中。
数分後には、麻酔の効果でクマがガクッと体勢を崩しました。
しばらくすると、クマは口を開けて眠りについていました。
運び出すのは大人4人がかり。
クマは体長1.5メートルほどのツキノワグマで、重さは100kg超えだといいます。
現場に居合わせた岩手大学農学部の山内貴義准教授は、捕獲された巨大なツキノワグマについて、「ツキノワグマにしては最大くらいのサイズで、どちらかというと筋肉質で本当に体がでかい。本来であれば冬眠に入ってもいい時期だが、やっぱりエサを求めて街まで出ているのかな」と話します。
連日、市街地に出没するアーバンベア。
アメリカでは人の生活圏で冬眠するケースも起きています。
3年前の12月、カリフォルニア州のスキーで有名なリゾート地で、クマが空き家の床下をゆっくりと動き、巣穴を作る様子が撮影されました。
さらに翌年の2月には雪が残る中、巣穴から一度は出てきたクマが後ろ向きで巨体をねじ込み床下に戻る様子も確認できます。
クマを駆除するボランティア活動を15年間続けているセルチさんによると、カリフォルニア州では床下で冬眠するクマが増えているといいます。
クマ駆除ボランティア トゥージー・セルチさん:
こちら(カリフォルニア州)のクマたちは、人間の食べ物に慣れすぎて私たちの食事で太りすぎてしまっているので、わざわざ自然のエサ環境に戻る必要をあまり感じていません。家の下で越冬したり昼間のねぐらにしているクマたちは、そもそも家の下で生まれ育っており、そこを「当たり前の環境」として認識しているから。
住宅で冬眠するクマ。
日本で同じことは起きるのか、岩手大学農学部の山内准教授は「(日本の)住宅地で冬眠することはないと思う。ただ農村部とか、やっぱり日本で今空き家が増えていて、崩れてしまった建物の一部に一時的に冬眠すると聞いたことがある。勝手に行政が柿の木を切るとか、空き家を勝手に整備することも法律上できないので、対策としては難しい」と話しました。