コメ価格の高止まりが続いていますが、その影響で年末年始に欠かせない「もち米」にも影響が出ています。

■1個あたり17円値上がり…副住職「影響大きい」

11月23日、三重県桑名市の十念寺で開かれた「七福神祭り」。そこで行われたのが、毎年恒例の餅投げです。無病息災や開運につながると言われる福餅を手にしようと、真剣そのものでした。

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しかし、今年はこの福餅が…。

十念寺の副住職:
「1個あたりの値段が約15円高くなった。予算の面でいろいろと大変なところはある」

餅の価格が去年と比べ1個あたり17円値上がり。それでも去年から数を減らさず、13万円近くをかけて1700個を用意しました。

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十念寺の副住職:
「(影響は)大きいです。できる限りは、このまま同じ数で続けていきたいと思っております」

■「今年は小さくしている…」一昨年と比べ価格は2倍に

焼き餅に雑煮など、年末年始に欠かせない餅。23日、横浜市のスーパーでは、もち米1キロが1295円で販売されていて、前年同期比で2倍近くの価格となっていました。

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スーパーセルシオ和田町店の久保田さん:
「昨年ですと700円弱で販売できていた時期があったので、相当な値上げになっている」


その影響、は名古屋の老舗和菓子店にも及んでいました。

瑞穂区にある創業98年の「山田餅本店」では、季節限定の「柿大福」など、もち米を使った数々の和菓子が並びますが…。

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山田餅本店の山田克哉社長:
「一昨年の価格からすると、もち米の値段は倍ですね。この木枠は去年のサイズです。全部のばすと薄くなっちゃうので、だいたい3分の2ぐらいに」

正月などで需要が増える「のし餅」。去年は木枠いっぱいの大きさで9000円でしたが、今年は小さくしたうえで2000円値上げし、1万1000円に。

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山田社長:
「もちをついてやわらかくしたのが大福の皮です。大福だけ値段を上げようかという意見もあったんですけど、とりあえず今年は頑張ろうかと」

この店では先月、一連の物価高の影響で全ての商品を20円値上げしたばかり。

大福はもち米を多く使うため、その仕入れ価格を反映させるには大幅な値上げが必要ですが、看板商品のため、さらなる値上げには踏み切れないといいます。

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山田社長:
「私の代が始まってから未曾有の事件ですね。本当に申し訳ないんですけど、(値上げは)仕方がないこと。来年はなんとか下がりますよね、下がってほしい、下がらないと困りますよね」

■もち米が高騰しているのはなぜ?

去年からのコメ不足による高値を受け、もち米を作っていた農家が、うるち米など主食用のコメに切り替えたため、もち米は生産が減って価格が高騰しました。

一方で、主食用のコメは増産しているため、東海3県で去年より2万4千トン増える見通しです。

しかし、スーパーのコメ販売価格は、直近で5キロあたり4260円と高止まりしています。生産は増えても、去年からの“令和のコメ騒動”を受けた卸業者の集荷競争で高値の取引が続き、販売価格は下がっていません。

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気になるのは“この高値が続くのか”です。宇都宮大学の松平尚也助教によりますと、「年明けにかけて、数百円下がる可能性」と話しています。

増産をしても、販売が減って在庫が多くなっているため、今後は値下げをして販売をするのではないか、ということです。

東海テレビ
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