それでも、粘りが少なく粒ほどけが良いことからシャリに使う鮨職人がいるほか、あっさりとした味わいが和食に合うと根強いファンがいます。
「かぐや姫」は、こうしたササニシキの味わいを受け継いださっぱりとした味わいがあるほか、晩生ゆえに猛暑下でも品質を高められる可能性もあり、今後の普及に期待したい品種です。
品種といえば試験場で生まれるのが一般的ですが、大学教授が育てた品種もあれば、農家が育てた品種、民間企業が育てた品種もあるなど、出自はさまざまです。いろいろな品種を食べながら、ぜひその出自や背景を調べてみると、また違ったおいしさに出会えるのではないでしょうか。
柏木智帆(かしわぎ・ちほ)
米・食味鑑定士、ごはんソムリエ、お米ライター。
