岩手県内でクマの出没が相次いでいることを受け、県は狩猟免許を持つ自治体職員、いわゆる「ガバメントハンター」の採用に乗り出します。2026年春からの捕獲を目指す方針です。
これは今後のクマ対策について協議する県の部局長会議で、11月21日に決定したものです。
県内の2025年度のクマの出没は10月末時点で7608件、このうち10月は3084件で1ヵ月あたりとしては過去最多となっています。
こうした現状を踏まえ21日の会議では、クマの捕獲に必要な人材を確保するため、狩猟免許を持つ自治体職員、いわゆる「ガバメントハンター」の採用に乗り出すことを決めました。
採用するハンターは、猟友会の会員など狩猟免許を持つ人のほか、自衛隊・警察官のOBなどを想定しています。
今後、県の職員として複数人を採用し、冬眠明けのクマを対象に2026年春からの捕獲を目指すということです。
また達増知事は県民に被害の未然防止を改めて呼び掛けました。
達増知事
「県民の皆さんには市町村の出没情報に留意し、クマに遭遇しないよう努めていただくほか、放任果樹の処分などクマを引き寄せない対策をお願いします」
このほか県はクマ被害対策の基本方針を改定し、出没防止のための研修会の開催や市町村への「緊急銃猟」制度の理解促進などに取り組むとしています。