静岡県の富士スピードウェイで開かれた「スーパー耐久シリーズ第7戦」。トヨタの豊田章男会長は、NASCARマシンを招いたほか、“MAGA”の帽子を被るなどし、アメリカ愛をアピールしました。そのワケとは…。
■“アメリカ愛”をアピールした豊田章男会長
トヨタは開発中の水素エンジンを搭載したマシンを投入し、豊田章男会長もレーサー「モリゾウ」として参戦しました。

この日は特別な演出も。豊田会長が招待したアメリカの自動車レース「NASCAR」のマシンがサーキットに。

さらに、アメリカのグラス駐日大使と並んだ豊田会長は「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」の帽子までかぶって、アメリカ愛をアピールしました。

ここまでアメリカ一色のワケは、トヨタが名指しされることもあった「トランプ関税」への対策の一環です。
一時27.5%まで引き上げられた自動車への関税は15%に引き下げられましたが、引き続き日本にアメリカ経済への貢献を迫るトランプ大統領。

トヨタは11月12日、アメリカに今後5年間で、最大100億ドル日本円でおよそ1.5兆円の追加投資を行うと発表しました。
■豊田会長「みんなが“ウィナー”になる方法を模索している」
富士スピードウェイでは、トヨタがアメリカの工場で生産する大型SUVなども展示されました。

トヨタは、これらのクルマを逆輸入して日本国内で販売することも検討しています。中でも注目を集めたのが、全長およそ6メートルあるピックアップトラック『タンドラ』です。

(リポート)
「運転席までの高さが非常に高く車幅も大きくて、アメリカ仕様という感じがします」
自動車ファンも、興味津々の様子でした。
ファンら:
「デカくてとても運転できるとは思えない、車庫入れする自信がないです」
「すごく気分はいいんでしょうけど、なかなか取り回しがこれだけデカイと大変そうだなと」
豊田会長も思わず…。

豊田会長:
「駐車場の前が出ちゃう、ガレージとかそういう所に止めるものではないんだろうな」
それでも、グラス駐日大使とトランプ大統領のお気に入りの車「フォード F−150」に乗り込んで見せ、アメリカの関税政策に一定の理解を示しました。

豊田章男会長:
「自国の自動車産業を守りたいというのは、どこの国の長も同じ考えだと思いますよ。そのなかでどうやって守るかの一つの手段が関税であって、関税をかけたことによってみんなが“ウィナー”(勝者)になる方法を我々は模索しています」
11月発表の中間決算では、トランプ関税の影響を最小限に抑えたトヨタ。当面はあの手この手でのアメリカへのアピールが続きそうです。
