創業103年の和菓子店「木挽町よしや」で、訪日外国人による予約商品の無断キャンセルが相次いでいる。名物どら焼きは手作りで人気だが、50~100個単位のキャンセルもあり、店主は「大きな痛手」と語る。街からは「前払い制」や「カード決済」などの対策案が寄せられるが、設備投資が難しい小規模店では対応に苦慮している。

相次ぐ訪日外国人の“無断キャンセル”

東京・銀座の和菓子店で、一部の外国人観光客による無断キャンセルが相次いで発生。

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「訪日外国人のお客さま。予約の場合ほとんどの方が、無断キャンセルで取りに来てくれません。むげにお断りすることもできないので本当に困っています

この投稿をしたのは、創業103年の老舗和菓子店「木挽町よしや」。

名物のどら焼きは、皮を1つ1つ焼き上げた手作り。
十勝産の小豆を使用し、甘すぎず、上品な味わいだ。

この店のどら焼きは、来店する以外にも電話やLINEなどで予約することが可能となっている。
しかし今、予約した商品を時間になっても受け取りに来ない外国人観光客がいるという。

一部の外国人観光客による無断キャンセル被害を訴える投稿は、SNSでも「ありえない。こんなにおいしそうなものを無断キャンセルなんて本当にやめてほしい」「事情があってこられないかもしれないですが、他のお客さまにも迷惑です」など、多くの反応を呼んだ。

木挽町よしや 中村良章店主:
50・100個(キャンセルされると)きついからね。多いときはがっかりしちゃう。日本の人はいけないと事前に連絡がある。だけど(外国の方は)何もないで来ない。予約して「午後何時に取りにきます」と、来ないとかが多い。

“無断キャンセル”でお詫びの手紙とお金を届く

一方で、無断キャンセルをする外国人観光客は一部で、きちんと取りに来る外国人も多いと話す。

中村さんは、無断キャンセルしてしまった台湾の夫婦から「私のコミュニケーション不足により、ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。台湾の人々は信用できないという印象を与えてしまっていないよう願っております」という手紙を受け取ったという。

木挽町よしや 中村良章店主:
向こうが勘違いして次の日にきた。言葉がわからないから、1万円いれて、「親父さんに迷惑かけた」と。僕たちは違うって、そういうふうに思われたくない人もいる。

しかし、無断キャンセルは多くの飲食店が頭を抱える問題。

街で話を聞くと「予約する時に、事前にカード決済にして予約する」「手数料をお客さんから取ればいい。来てくれたら手数料返しますみたいな」「前払い。振り込んでもらうやつですよね。それいいかもしれない」と、前払い制度や手数料を導入するべきとの意見が数多く寄せられた。

しかし、店主の中村良章さんは「いろんな人からドタキャンがあるとアドバイスをもらうが、なかなか俺のところとかたいそうな店じゃないから、こんな小さな店で(設備など)いっぱいかけられないから、お金も」と話す。

外国人観光客の増加に伴い、発生してしまったトラブル。
老舗和菓子店も頭を悩ませている。
(「イット!」11月14日放送より)

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