全国でクマによる被害が相次ぐなか、自民党本部で鳥獣食肉利活用推進議員連盟=通称「ジビエ議連」の総会が14日、開かれた。
会長を務める石破前首相は、ジビエ議連について、「食育の観点からもジビエ(=野生鳥獣の肉)文化というものを日本に根付かせて、結果として鳥獣害が減るといいなということでスタートしたもの」と振り返った。
そして、「十数年経ち、シカ・イノシシどころか、クマどうしましょうかみたいな話になった」と、最近のクマによる被害の急増に触れ、「山が荒れて食べ物がなくなって人里へ降りてきている。やはり基本的には山をもう1回、クマやシカやイノシシが戻れるような山にしていかなきゃいかん」と述べ、「ジビエから日本を考えるということにしていきたい」と強調した。
石破氏は、60年ほど前にクマ肉のすき焼きを初めて食べたといい、「こんなに感動的に美味しいのかと思った」と思い出を語る一幕もあったが、クマ被害対策については「罠を仕掛けるのを容易にできないか」「広葉樹がだんだん少なくなって、山に動物が住みにくくなっている。針葉樹ばかり植えるのをやめた方がいいのでは」などと提案した。
総会では、ジビエの振興について意見交換が行われるとともに、出席議員に鹿肉と猪肉をベーコン風にした料理や、ツキノワグマの肉をチャーシュー風に調理した料理が振る舞われた。