安倍元首相銃撃事件の裁判が行われ、山上被告の母親が証言台に立った。
さらに法廷では、妻・昭恵さんの「上申書」が読み上げられた。

山上被告の母親が出廷

法廷の傍聴席の前にはついたてが設けられ、中の様子がうかがえない中で出廷した山上徹也被告(45)の母親。

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(Q.尋問に先立って言いたいことがある?)
山上被告の母親:
本来は事件が起きた時、すぐ謝罪したいと思っていましたができませんでした。今ここで謝罪したいと思います。
大変な事件を起こしたことをお詫び申し上げます。安倍元総理、昭恵夫人に心よりおわび申し上げます。安倍元総理を応援していた方々、国民のみなさまにおわび申し上げます。本当に申し訳ございません。

涙ぐみながら、謝罪の言葉を述べた山上被告の母親。

事件後は一切、母親と会うことがなかった山上被告。

母親が入廷する前にメガネをかけ直したものの、証言台の方を見ず、目を伏せたままだった。

妻・昭恵さん「涙を止めることができません」

2022年7月、奈良市で演説中の安倍晋三元首相を手製の銃で撃ち、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)。

10月から始まった裁判員裁判は13日、7回目の公判が開かれ、安倍元首相の妻・昭恵さんの「上申書」が読み上げられた。

安倍元首相の妻・昭恵さんの上申書:
医者から説明を聞くうちに駄目だと悟った。夫はおだやかで 笑っているように見えた。手を握って『しんちゃん、しんちゃん』と2回呼び掛けた。体が温かくて手を握り返したようで、待っていてくれたと感じた。心臓マッサージをする医者を止めて息を引き取った。

安倍元首相の妻・昭恵さんの上申書:
夫の親しかった人の顔をみると夫を思い出します。なぜ夫はここにいないのかと涙を止めることができません。ただ夫に生きていてほしかった。長生きしてほしかった。妻としての思いです。

山上被告は長く伸びた髪を後ろで束ね、メガネをかけて黒いシャツとベージュ色のズボン姿で法廷へ…。上申書が読み上げられる間、うつむき加減に視線を落としていた。

「死ぬまで骨をしゃぶりつくされる」

そして午後4時半前。

証言台の周囲についたてが設けられ、傍聴席からは姿が見えないようにして行われた山上被告の母親の証人尋問。

謝罪を述べたあと、尋問が行われた。

(Q.まず確認したいが、いま信仰している宗教は?)
山上被告の母親:
「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」です。

山上被告の母親:
(入信は)1991年に統一教会(当時)の若い女性が家に訪ねてきて、兄の病気の話をしたら姓名判断をすると言われた。

母親は、約1億円を献金した旧統一教会への信仰などについて証言した。

初公判で起訴内容を認めた山上被告。
裁判は、旧統一教会と母親をめぐる山上被告の生い立ちが量刑にどう影響するかが最大の争点だ。

13日の裁判では、山上被告と家族の2012年ごろのメールのやりとりが示された。

山上被告が兄に宛てたメール:
身内に教会員がいる限り、死ぬまで骨をしゃぶりつくされる。

渡航記録からは、母親が旧統一教会の活動のために1993年以降、46回韓国に渡っていたことも明かされた。

母親への証人尋問は11月18日にも行われる予定だ。
(「イット!」11月13日放送より)