江戸時代から続く年中行事「酉(とり)の市」。
東京・浅草の鷲神社には12日夜、商売繁盛を願う多くの人の姿がありました。
毎年11月の酉の日に行われる酉の市。
境内に並んだ多くの屋台には七福神や大判・小判など、縁起物をあしらった大小さまざまな熊手が並びます。
中には「ここで何が起きてるのかよくわからないけど、とっても最高です」と話す、初めて酉の市を体験した外国人観光客の姿も。
フランスからの観光客は「大きいのは持って行けないよ。旅行中だからね」と話し、小さめの熊手を購入していました。
熊手は、福をかき込むとされる縁起物。
多くの自営業者や会社関係者が熊手を購入すると、売り子たちの威勢のいい手締めの音が響き渡りました。
酉の市が活気であふれる一方、企業の倒産件数は増加しています。
帝国データバンクによると、10月の倒産件数は前の月より50件以上増えて965件。
年間では12年ぶりの1万件超えが見込まれるとしています。
酉の市でも「大変です。人(の雇用)が一番大変です、今。最近は外国人に来ていただいて、なんとかね」と、厳しい経営状況についての声が聞かれました。
特大の熊手を購入したトマト農家を営む男性は「今景気がまだまだ良くないので、日本全体が景気よくなるように、それも込めて」と話しました。
酉の市に来ていた人たちの多くは「『今よりもっと良く』を目指してるので、もっといい会社にできるといいなと」などと話し、前向きに将来を見据えていました。
2025年の酉の市は一の酉、二の酉の2回行われ、二の酉は24日に開かれます。