岡山市に、暮らしの中の“音”を研究する最新施設が完成しました。住まいの快適さを左右する“音”に関して、業界初の設備を取材しました。
岡山市南区にある大手建材メーカー、DAIKEN岡山工場の敷地内に完成したのは広さ約1000平方メートルの音環境研究施設、“音ラボ”です。完成を記念して11月13日、オープニングセレモニーが行われました。
音ラボは音を専門にした業界初の実験棟で、建物に関わるあらゆる音を総合的に研究することができます。施設内には建築材の音響性能を測定するための様々な設備が設けられていて、空間による音の違いを感じることができます。
(森岡紗衣 記者)
「こちらは残響室です。私の声が響いている。この部屋には音を乱反射させるような仕掛けが施されていて、材料がどの程度、音を吸収できるかなどの実験が行われる」
「一方こちらは無響室。先ほどとは打って変わって音が全く響かない。ヘッドフォンをしているみたい。壁には特殊な吸音材が使用されていて、本来の純粋な音を測定できる」
DAIKENによりますと、コロナ禍以降リモートワークが普及したことなどから、騒音や音漏れなど生活音に関する相談件数は増加傾向に。快適な音環境に対するニーズが増えているといいます。
(DAIKEN 億田正則社長)
「われわれの技術で社会問題ともいえる音の困りごとを解決したい。快適な空間をもっと普及させたい。そんな思いを体現する取り組みとして“音環境ソリューション”という新たなビジネスモデルにチャレンジしている」
目には見えなくとも心身の健康や生活の質に直結する音。音ラボでの最先端の研究が今、注目の「ウェルビーイング」な空間づくりに生かされそうです。