クマが市街地に相次いで出没する未曾有の事態が続いています。
こうした中、13日から警察官がライフル銃を使ってクマを駆除することができるようになり、秋田県警察本部では駆除に対応するチームの出動式が行われました。
秋田県内ではことし1万件を超えるクマの目撃情報が寄せられているほか、クマに襲われ4人が亡くなり、66人がけがをするなど、市街地でクマの出没が止まらない未曽有の事態となっています。
こうした中、13日、秋田市では、警察庁から派遣された県内外の警察官で構成する「クマの駆除に対応するチーム」の出動式が行われ、隊員10人が参加しました。
警察庁は今月6日、警察官がライフル銃を使ってクマを駆除できるよう、国家公安委員会規則を改正。
特に被害の大きい秋田県と岩手県に、全国の都道府県警の機動隊などで構成する「銃器対策部隊」を派遣しました。
銃器対策部隊は翌7日に、猟友会からクマの生態や対峙した際の注意点などを学んだほか、県内で初めて「緊急銃猟」が行われた横手市の現場を視察し、自治体の担当者から駆除の流れや付近の安全確保について学んできました。
そして13日から、警察官がライフル銃でクマを駆除できるようになりました。
対応チームは4人1組で構成された2チーム体制で任務にあたります。
秋田県警察本部・小林稔本部長:
「これまで行ってきた猟友会による教養や、各種対処訓練を基に、安全確保を徹底した上で、市町村や関係機関との連携を密にし、速やか、かつ確実な対応を行い、県民の安全確保を図ってほしい」
警察官が駆除するのは、市街地にクマが出没したケースで猟友会などハンターがすぐに現場に到着できず、自治体の判断による「緊急銃猟」の対応が間に合わない場合、警察官職務執行法に基づき実施されます。
小林稔本部長:
「クマ被害の多い秋田県に他の都道府県警察から応援をいただけたことは、非常に感謝している。警察官は銃器の使用判断に関して、これまでも適切に行うように訓練・教養を行っているため、クマへの発砲に対しても適切に使用できるよう安全確保に配慮し、任務を遂行していきたい」
対応チームは、クマが人里に現れた場合は現場に駆け付け対応することになっています。